退会の弁
今日、「ロータリーの友」(2009年4月号、縦組16ページ)友」を手にして、「退会の弁」という題で東京浅草RCの稲田輝明氏が投稿されたご意見に、感銘をうけ、早速、本ブログに転記させて戴きました。批判になるかもしれないが、クラブには色々な方がおられるもので、お説ごもっとも、たいていのクラブは似たり寄ったり思います。一口でいえば、ロータリアンの「寛容」の心が必要でしょう。
ロータリークラブに入会して7年になります。今年度限りで退会することにしました。
退会の理由はいろいろありますが'最大の理由は古稀を過ぎた今、健康であるうちに、毎週の例会出席の制約を離れて長期的な旅行に出たいという衝動に駆られていることです。
ロータリーを辞めても、違った形で奉仕活動は続けていきたいと思いますし、ロータリーを離れてもお付き合いを続けようと言ってくださる何人かの友人にも恵まれました。退会に当たり、なにがしかの感想を、「遺言」として述べることをお許しください。
ロータリークラブというのは、単なる親睦固体でも寄付団体でもない、いわば倫理団体であることを組織の理念としており、このことは『手続要覧』や『ロータリーの友』などから明らかだと思うのですが、書面を読まず、理念をわきまえない会員が多いのは嘆かわしいことです。ロータイ―歴の長い、長老格の会員といえども例外ではありません。
具体的に例を挙げましょう。会員歴の長いある会員が「職業奉仕とは赤字覚悟でサービスすることか」と疑問を提起したことがあります。「職業奉仕」とは、金銭や物品を提供するという物質的な行為として誤解されがちで、それが発言の背景にあるようです。先般逝去された第2580地区 (東京・沖縄)の佐藤千壽バストガバナーが翻訳された『吾が内なる道徳律』という小冊子によれば、「職業奉仕」とは「誠実と信頼」に尽きるとあります。
これは「奉仕とは、嘘やごまかしのない「まっとうな商売をして世間の信頼を得る精神的倫理的行為であること、を意味しているのです。
流行の言葉で一言えば「コンプライアンス」に当たるでしょう。このことは『友』をちょっと読むだけでわかるはずですが、何しろ文字に当たることをしない会員が多いことは誠に嘆かわしいことです。
クラブを去るに当たって耳障りな言葉を述べましたが、意のあるところをおくみ取りいただき、組織の理念を踏まえた、今後ますますのご発展をお祈りしています。
さようなら。 (第2580地区 東京浅草 稲田輝明 弁護士)

9