2009〜2010 全国会員増強セミナー
RI Zone 123Membership Development / Retention Training Seminar
2009年3月7日横浜(9:30-16:00) 10:00
メモを作成しましたので送信します。(JRICのMLより)
セミナーの記録
挨拶
●2007-09年度小沢一彦RI理事
昨年7月7日に東京で開催したRI会長主催会員増強会議に全国から1215人出席いただき大成功であった。終了後、RI会長はオーストラリアに旅立ったがオーストラリアの増強会議は300人しか集まらない会議であったと聞いている。
ロータリーの地区大会や様々な会合で日本のシニアリーダーの皆さんが講演するが、一番ロータリアンに受ける話は国際ロータリーを批判する内容の話であり、その多くは、1905年にスタートした時の理想が年々緩和されることへの批判が中心であろう。
(職業分類、例会出席)
また、ロータリーが慈善団体になり下がったと話せば拍手喝さいである。
しかし、これでは会員は増強しない。
国際ロータリーは強制をしていない、各クラブ、メンバーの自主性、主体性を大事にしている。
1996年6月末世界の会員数は120万6千人であったが、日本は12万9909人(1315名が女性)で結果的にその年度が史上最大のメンバーとなった。それから12年後、日本の会員数は一貫して減少し、昨年6月末では世界の会員数は120万6千人で変化はなかったのに日本ではクラブは105クラブ増加したが、会員数は95,238人で3万5千人減少している。しかし、女性会員が3倍に増加しているのが特徴であろう。
日本は世代交代の時期であると認識している。世界の中で日本が一番会員の平均年齢が高い。
RI17人の理事で私は4番目に高齢なのにガバナーに就任したのが一番遅かったのがその例証であろう。今年のRI会長は1938年生まれあり、来年の会長は1940年生まれである。
ポリオは1995年に撲滅を規定審議会で決議され、未だに撲滅されないことを批判することはたやすい。
2001年職業分類は緩和されたが、職業分類が緩和されたから会員数が減少したのではなく、すでに1995年から日本の会員数は減少している。
来年の規定審議会の焦点は23−34の復活が日本では中心になるであろうが、世界は500以上の地区があるので削除をさせる勢力のほうが強い。
「ロータリーはどこへ行く」と講演する日本の著名人は新しい方策を提案はしない。
こつこつと人気がなくても、きちっとやるロータリアンが貴重。
今年の会員数は95,000人前後を推移している。減少している地区は3地区存在する。今の次期は一番会員が多い時期の中であるのに...。
平日の昼間の例会、会費25万円、平均年齢60歳のクラブに30歳台の人々は入会しない。だからこそ湘南ロータリークラブを創設したのである。
ロータリーの世界大会への参加するための地区委員会は概ねガバナー補佐が就任するが、その本人が世界大会に欠席する人がいる。
また、純増1名といっても出来ないことが多いので、出来ないことを言ってはいけないと思っている。
会費、例会時間の見直しが一番大事と思う。
それで若い人女性が入会すると思う。入会時の魅力は、会員の「属性」に魅力を感じて入会する動機が一番であろう。どのような人が入会しているからクラブの「魅力」が決まる。
前回のRI理事会で、会員増強に関して長期的に考えようとの議論があった。会費、例会時間、クラブの「適正規模」への判断(地域、クラブの歴史にもよるであろう)によって何年にわたって実現する計画をするべき。
今日、日本ではクラブの統合が進んでいるが、悲しんではいけない。
日本の適正会員数は10万人と思っている。今の会員数では3.5ゾーンから3ゾーンに減少する。次のゾーンの再編成は8年から10年の間隔であると思っているので、8年かけて4千人増強することでゾーン編成を復活させることが肝要である。
一地区100人程度の会員数増強目標である。
財団は寄付によって表彰制度がある。会員増強にもその考えがあっても良い。
●2009-11年度黒田正宏RI理事
全国から出席いただいたことに感謝したい。次年度理事として皆様を頼りにしている。
小沢理事のお話もあったが、昨年7月会員増強会議が成功裏に終了したが、次年度はその計画は未定である。
RIは財政問題を抱えているので来年度はさらに経費を削減されると考えている。
同時通訳者の派遣も来年は中止になる。
アメリカ、日本を中心に会員減少が続いているが、経済的な事情が大きいのではないかと私がレポートしたが、RI本部としてのさらなる努力を要請された。
新会員を募集するときに、ロータリーの理念をやさしく理解できるようにしていく努力が必要であろう。ロータリーと倫理、地域・世界での奉仕活動を分かりやすく説明するべきで、経営者にとって職場を守ることになるとも説明している。
厳しい経済事情の中でどのような工夫をすれば会員を増強できるかについて、じっくりと率直に検討いただきたい。
地区で会員増強セミナーを開催いただき、コーディネーターが3名であるが、支援グループメンバーがたくさんおられるので活用いただきたい。
次年度のケニー会長は「ロータリーの未来はあなたの手の中に」をテーマにした。会員一人一人の資質の向上をスタートにおいていただきたいとし、それがロータリーの未来を築いていくとしている。
今セミナーでは単なる理論ではなく、理論を理解した上で実践行動するということについても討議いただきたい。
第一セッション
ロータリーにルネッサンスを!真の会員増強を目指して
リーダー 西村栄時
コメンテーター 永富 稔
○西村
類稀な104年の歴史を刻み、世界約200国・地域、33、200余のクラブ、123万人の会員を擁すロータリー。
共に喜びと誇りを!
*順調に成長・拡大・発展したロータリーだが、ここ10年世界の会員数は頭打ち。
*特に、わが国の会員数は目を覆うばかりで、減少に歯止めがかかっていない。
*1996-97年当時13万人を超えていた会員は、
2007年6月末10万人を割り、2008年12月末現在、97,000名を前後。約25.8%減
すべての組織は、
*自然に任せておくと、高齢・病気・死亡・転勤・転居などで減少。
*どんな組織でも、会員減少は死活問題。
*会員は常に増強・維持・強化が必要。
*多くなれば互いに触れ合う摩擦熱で組織は活力や魅力を増す。
その発する磁力により新たな人を呼ぶ。
会員を増やすことは、組織の体力を強化し、財政基盤を確立し、充実した奉仕活動を可能に。良質な市民を増やす。
*さらに、活力や魅力を増す。
*組織をいつも生き生きさせておくため、常に新しい人材の導入が必要。
*ロータリー最大の財産は、【会員】
*優秀な人材という財産なくして、ロータリーの崇高な理想の実現はない。
*会員を増強させることは、ロータリーの未来を託す人材を得ること。
*次代への責任を果たすことに。
会員増強は【ロータリアン最大の奉仕、責任】。
会員減少
*日本経済の低迷。不安定・不透明な経済環境。
*中小企業経営者の高齢化・後継者不足・企業の減少・地方都市の過疎化など社会構造上の問題。
*拡大・増強を急ぎすぎて、情報教育が疎かに。
*ロータリーを知らない会員が多くなり、会員一人ひとりのロータリーへの関心・愛情・熱意が薄れ、自らの組織に自信と誇りを失いかけている。
*ロータリーの本質が理解されず、会員の規律は損なわれ、全国会員事業所の不祥事も目立ち、社会の信頼が薄れ始めている。
*例会以外でのバッチ未着用会員も多く。(ロータリアンの誇りも失われつつある)
*全国34地区平均例会出席率も正比例し、
1996・6末、91.69%〜
2008・6末、86.33%に低下。
出席率・マナーも低下
*例会への遅刻・途中退席、
卓話中の私語・居眠りが多い。
*他クラブへのメーキャップも、サインの場所を。
*中には、代筆も。
RIもこの10年間に・・・
*性限定用語使用中止で、He profits most who serves bestを一時抹消
*一業種一会員制は、一業種多会員制に。
*パイロットクラブ、例会場を有しないクラブの出現(eクラブワンなど)
*規則的例会は、年間4回休会を許し、出席も60%で・・・、メイクアップも、前後2週間に。
(規定審議会の民主的ルールで決定されているのでやむを得ないが・・・)
*職業倫理訓が廃止。 (1980年)
*人道主義的団体奉仕に軸足が置かれ、職業倫理を厳しく問わず、個人奉仕、特に職業奉仕が軽視。
*決議23−34は・・・。
(ロータリーの真髄・理念は既に消滅?)
ロータリーの不易流行は?
『超我の奉仕』『職業奉仕の精神』
ロータリーの《永遠の挑戦》《存続の意義》
*金融恐慌・世界同時経済不況も職業倫理の欠如から。
《現在ほど、職業倫理・道徳を必要とするときはない。本ものが輝くとき。》
危惧の念は?
*ハロルド・トーマスRI会長(1959−60)
基本的特色の二つ(職業分類の原則・規則的例会の出席)が、次第に希薄に。
*ウイリアムR・ロビンスRI会長(1974−75)
ロータリーの真価は、いくらお金を集めたか、何名会員を増強したかではなく、奉仕の理想をわきまえたロータリアンを幾人育てたか。
*カルロ・ラビッツアRI会長(1999−2000)
ロータリーの衰退が始まっている。
最大の原因は、ロータリーの魅力がなくなった。
先輩たちが確立した素晴らしい原則を守らなく・・・。
真の会員増強にどう取り組めばよいか?
不透明・不確実・厳しい経済環境、
過疎化が著しく、高齢化がすすみ、該当する職業人も少なくなっている。
*会員数を整えるための入会促進ではなく、
相応しい人・成長が期待される人に。
*ロータリーの誇りある精神をしっかり確認し、例会を重視し、魅力ある組織をつくり、地域社会に貢献する志の高いロータリアンを一人でも多く育てる。
精神は一業種一会員で
*同業者を入会させ、既存会員の意欲を削いではならない。
*協調性にない人を入会させ、クラブの雰囲気を壊してはならない。
*安易に入会を勧めない。
*入会促進・手続き(推薦・分類・選考・審査)は厳格に。疎かにしない。
ロータリーはざる?
毎年多くの入会者を迎えているが・・・、それ以上の退会者。
*入会3年未満の退会者が多い。
*ロータリーの良さを体得しないまま、
むしろ悪印象を持って退会。
*周囲に与えるマイナス影響は計り知れない。一名の減少だけに留まらない。
−器そのものをしっかり整え再構築‐
*若い世代に知る意欲は乏しい。
*平易なことばで懇切丁寧に。
*形骸化した情報委員会、低下している情報提供機能を復権。
*クラブ研修リーダー制を設け、パスト会長に役割を。古参会員の意欲を持続させる。
*しっかりと入会前のオリエンテーション(歴史・会員の恩典・責務・奉仕の機会など)を。できれば配偶者にも)
* 推薦者・増強委員・情報委員がフォロー。
* 歓迎会の開催、温かい声かけ。
* 新会員に相応しい役割・分担を。
* 疎外感を感じさせないよう、新会員に居場所と満足感を。
会員維持の具体策?
○ ロータリー情報の充実・徹底 (Rの魅力を伝達)
100年の歴史を有する組織
職業倫理を大切にする組織
地域・国際社会で奉仕する組織
相互に刺激しあい、自らを磨き・高める人の集う組織
《ロータリー精神の理解不足と無関心の解消》
○ 例会を重視した温かいクラブ創り
出席の意義・重要性を再確認
会長時間は周到な準備で
プログラムの充実(卓話者を吟味)
激励・祝福・ねぎらいの拍手は惜しみなく
不快感や相手を傷つける言動はないか
ロータリアンは寛容・思いやり・謙虚を)
ロータリーの例会は【楽しく有意義でオアシスに。ロータリーに入って良かったと実感】
○ 感動ある地域・国際社会での奉仕活動
倫理観を高め、職業を通じての奉仕
金品の寄付ではなく地域を巻き込み、多数参加で感動ある奉仕
ロータリアンは感動を呼ぶマジシャン
組織のスリム化
『運営は質素に、奉仕は豊かに』
目標は【ロータリー精神を体得した志の高い
ロータリアンが地域社会に貢献する】
『ロータリアンは人間的にも、職業人としても素晴らしい』!
『ロータリーの会員企業であれば信頼でき安心』!
『あんな人になりたい。あんな人のいる組織に入りたい』と言わしめるのが理想。 ロータリアン一人ひとりが、ロータリーのイメージを高めるもっとも効果ある広告塔。
●グループ討議後、発表に入る
○9グループ
・会費を安くすることと、シニアをターゲットにして早朝モーニングクラブの創設
・職業奉仕を中心にした例会を
・女性会員をターゲットに、
・無理な会員増強をするべきではない
・クラブの仲間が会員増強の中心であり、クラブの信頼が増せば会員は増える
・昼の時間帯を考えなおすべき
・今日のパワーポイントを配布いただきたい。
・会員増強をテーマにした広報誌の作成をしたいとの意見があった
・新会員は孤独であるとの意見もあった。
○2グループ発表(2740地区)
・退会防止の意見が出た。ベテラン会員が中心になって8週間にわたって勉強した事例
・会員は量より質との意見があった
・商工会青年部、青年会議所への入会を促進させること
・小沢理事からもあったが会費を下げることも大事、会費が安くなったことで3名の増強が出来た。月1,000円の会費を下げただけであったが...
○3グループ(横浜南ロータリー小川)
・会員の減少が最大の問題であるが、ある地区ではグループで競争して表彰制度を作って意識改革をしている事例がある
・地区内だけではなく全国的な視野を持って、ほかの地区からも友人を紹介いただく制度も考えるべきとの意見もあった。
・退会防止については3年未満が一番多く、ロータリー情報の不足が最大の原因であり、あまりさみしくさせないことが大事。また、会長経験者の退会が目立っているのも、パスと会長の活用を図るべきとの意見であった。
○7グループ2630地区三重県鈴鹿
・高齢者が多いのでお別れ会が多いというクラブがあった。
・クラブの中で志が強いメンバーの影響で退会が増えた事例
・入会見込みファイルを作りタイミングを見て勧誘
・家族を大事にするクラブ運営が必要
・クラブの広報
・女性会員の経営者選びが困難
・無理な増強による質の低下
・増強は押し付けではなく、原点回帰でポールハリスが知人を3人集めるという「増強」からロータリーがスタートしたことを認識するべきであり、当時の大不況下であったからロータリーが発生したと思うので、日本も同じ。
○5グループ2630地区三重県
・クラブレベルでの話が多かった。
・クラブの弱体化を阻止する上で、地区の運営委員会を活用して効果を出している。
・親子問題で議論があった。親が退会しないので子供が入会しないとか、ほかのクラブに入会する事例もあり、親子での同じクラブ入会が困難な現実もある。好事例には退会メンバーへのアフターフォローをしっかりするクラブが活性化する...
・長期計画で一定の方向性で努力することも大事
・非現実的な目標を設定するのではなく、アナログ的な自然減を補充する努力を会員に認識いただく行動が大事。
○第8グループ
・増強のためにロータリークラブが変わる必要があるのかをテーマにした。
・ひとつは昼の例会クラブについて、昼に出席できない会員には新しいクラブを創設するべきであり、ロータリークラブの理念の徹底がクラブの安定が図られる
・仲良しクラブだけではだめであるが、仲良くなければならない。
○永富コメンテーター
西村氏の資料は皆様に提供いただける。
第五テーブルに参加した。
子供の立場ではオヤジのいるクラブには入会したくないのは人情であろう。
地区運営委員会での活動については良いことと思う。地区運営委員会がクラブとの調整が図られていると思う。
私の地区では親子クラブ間で新入会員の「争奪戦」をしているとのお話が印象に残っている。
報告者:小船井@釧路RC

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