何かとバタバタし、録画したまま観ることができないでいるものが増える一方だ。映画、テレビドラマ、舞台中継、ドキュメンタリー⋯⋯
そんな中、
仙女こと
センダイガールズプロレスリングの旗揚げ戦をやっと観た。エースは里村明衣子だが、代表は新崎人生であり、母体はみちのくエンターテインメント。つまりは、みちのくプロレスの兄弟団体と言ってよいか。
7月9日、仙台サンプラザホール
あらま、もうひと月半も経っているよぉ。全然タイムリーじゃないなぁ⋯⋯などと思いながら新人たちのデビュー戦を観ていると、じんわり涙が出てきた。
え? なんで?
見も知らぬ新人たちに対しては、もちろん何の思い入れも無い。ただ、彼女たちを観ているうちに、そこに重ねてしまうんですねぇ⋯⋯仙女のエース・里村明衣子たちのデビュー戦を。
1995年4月15日、後楽園ホール
GAEA JAPAN の旗揚げ戦は、各方面に多くの衝撃を与えた。特に、同日デビューの新人たち──チビたち──の試合には目を見張った。
植松寿絵
永島千佳世
加藤園子
里村明衣子
佐藤季恵
成田舞子
長与千種の意地、KAORUの指導、ボンバー光のサポートが、見事に花開いた大会だった。もう11年以上も経つのに、まるで昨日のことのようにも思える。
しかし、この日仙台では、長与千種はリングサイドの実況席にいた。リング上のエースは“チビたち”の一人だった里村明衣子。デビューまでの指導には、植松や永島も時間を割いたという。
長与千種が産み落としたチビたちが、今、新しいチビたちを産み落とそうとしている。言わば、長与千種の孫たちのお披露目だ。
この日デビューの新人たちと、里村⋯⋯仙女勢のコスチュームの色は、全て
赤。言うまでもなく、長与から受け継がれてきた色だ。
長与千種の眼前で、長与千種のDNAを受け継いだ花が咲く⋯⋯泣くには充分でしょう。
大会名「
FIRST ROUND」もまた、GAEA JAPAN 旗揚げ戦「
GAEA MEMORIAL FIRST GONG IN KORAKUEN」を想起させる。
しかし、あの頃とは風が全く違う。思えば順風満帆であったあの頃と違い、今女子プロレス界に吹いているのは逆風のみではないかとさえ思える。当時と同じだけの努力では、船は前に進まない。
奥田朱里
金成知佐子
金子友里恵
金成幸子
出来得れば、少しでも大きな花を咲かせますように。
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昨年4月、GAEA JAPAN 解散。それに間に合わなかったKAORUも、1年ののちケジメをつけた。皆、それぞれの道を歩いている。
なのに⋯⋯スッキリしない。
原因はハッキリしている。
加藤園子だ。
長期欠場のまま解散を迎え、その後も動向にさしたる変化の無いまま⋯⋯いや、待てよ。もしかしたら、こっちが知らないだけで、何かしらの動きや発表があったのかも知れない。あ⋯⋯静かに引退していたりして!
で、調べてみたらば、
加藤園子、復帰決定!
だそうだ。
復帰自体決まったばかりらしく、詳細はまだ発表されていない。
なんたる偶然! いや、必然? ん、どっちでも構わない。とにかくめでたい!
GAEA JAPAN の歴史に、ついにピリオドが打たれる。ペンを握るのは、
青⋯⋯加藤園子だった。