
耶馬渓 青の洞門のあたり、真ん中の川辺の絶壁に穴が空いている。
お坊さんが掘ったという洞門である。今頃は紅葉していることだろう。
菊池寛の小説「恩讐の彼方に」で全国的に知られた名高い名所旧跡”青の洞門”。
山国川に面してそそり立つ競秀峰の裾にある洞門は、今から250年ほど前、諸国遍歴の旅の途中この地を訪れた禅海和尚は、鎖渡しと呼ばれる難所で命を落とす人馬を見て、村人のために安全な道をつくることを決意しました。
こうしてノミと槌だけで掘り抜いた隧道の長さは、約342メートル。30年もの永い歳月をかけて完成しました。
現在の洞門は、当時からはかなり変化しているものの一部に明かり取り窓や、ノミの跡が残っており、禅海和尚の不屈の精神が偲ばれます。
禅海和尚
禅海和尚は越後(新潟県)の人で、青の洞門の工事にかかったのが49歳のときといいます。
「絶壁の岩をうちつつ堀抜いてついに作れり隧道の道」

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