名古屋市都市計画審議会が行なわれ、平針黒石地区計画における用途地域変更や計画決定などを議題とした。写真は、これまでも何度かこのブログでも紹介した「平針の里山」である。東郷も4回、現地の調査を行ない、本会議でも河村市長に保全に向けた努力をするよう質問をした。2010年COP10が開催する傍らで、河村市長が一旦事業を凍結し、名古屋市で買い取るとしたものの結局は、業者との折り合いが合わずに開発許可を下ろしたもの。写真は、里山の面影は全くなく、重機が入り開発が進んでいる様子。
都市計画審議会は、学識経験者13名と市会議員7名などで構成。東郷も都市消防委員会の副委員長として委員の一人として参加した。平針黒石地区の計画・用途地域の変更に際して、昨年12月27日の開発登録簿の記載によると開発に当って774.89平米の防火水槽を含む公園を整備することを条件としているほか、地域森計画対象民有林では20%の緑地面積を残すことという規定になっているが、公園、緑地がほとんどなく160戸の住宅開発をする上で防災機能や住環境への考慮が十分果たしているとはいえない。街区公園については、なぜ計画から外れているのか質問したところ、島田緑地などが周辺にあり、一定程度の緑地を確保しているとのことで免除規定を適用したという。その他、北側の用壁に挟まれた街周道路について防災面、防犯面での安全性などの問題点も指摘された。
現在、係争中であるため、共産党委員からも現時点で採決をするべきではないとの意見も出されたが、賛成多数により計画決定された。今回、共産党と東郷のみが「反対」した。法的に開発許可を下ろした以上、非常に悩んだ末での結論であったが、防災機能や環境と共生した安心・安全で快適なまちづくりということは最大のテーマである。こうした疑問点に十分な審議が尽くされたとはいえず、今回の「反対」の理由である。一度、破壊された緑豊かな「里山」は、二度と戻ることはない。
