行政経営研究の講義で東郷もオブザーバーとして参加させていただいた。上場企業であるマブチモーターズのフィールドワークを通じ、民間のノウハウをいかに行政経営に取り組むことができるか?日本では役所が昔から“お上”と呼ばれてきたが、行政機構はどこも肥大化し、時には“お役所仕事”といって揶揄される。そもそも役人というのは、公務員試験をパスした優秀な人材が集まっているはずだが、“役人天国”などといわれ最近では肩身も狭い。しかし、一方名古屋市でも河村市長が、民間から副市長を鳴りものいりで登用したが、全く使いものにならなかった。
マブチモーターズでは、顧客の視点に立った経営理念とファシリティ・マネジメント(FM)による職場環境の徹底した合理化と成果主義による社員の士気を引き出す社風がある。一方、自治体経営というのは、最近でこそCSがいわれるようになったが、縦割りに象徴されるような硬直的な組織体制となっている。また企業のような利益追求するというミッションが低く、人員削減や給与カットなど成果に対する評価も見えにくいため職員の士気が上がらない。職場環境も往々にして書類や私物が詰まれ、非効率な環境にありがちだ。多くの大企業では、机の上には電話とPC以外はほとんどなく、またフリーアドレスを導入し、最小のコストで最大の効果を生む職場環境が見られる。
東郷もこれまでも本会議ででNPMという公共政策理論における役所のペーパーレス化や行政財産の有効活用などの視点から自販機の入札などを提言したが、時代の流れで役所も多様な市民ニーズに対応した“経営イノベーション”が必要といえる。
