名古屋市議会の解散請求の署名開始からちょうど1年が経った。当初は、知事選と市長選、市議選のトリプル選挙を目論んで日にちを逆算したようであったが、どまつりで多くの人が集まるからといって気勢をあげ、熱狂的にリコール署名が行なわれた。
しかしながら、一体このリコールとは何であったのだろうか?当初は、署名は集まらないとマスコミや評論家、議会でも冷ややかに見ていたが、46万を超える多くの署名が集まった。
その後、署名の審査をめぐって二転三転したが、結局、署名が有効法定数を超え、住民投票が実施されることとなった。しかし、一方で不正署名が公然と行なわれたなどといわれ民主主義の根幹が揺らいだ。議会側は議員総会で「二元代表制及び議会制民主主義を尊重し、市民生活を第一に考えた市政運営に全力を尽くす」決意表明を可決した。河村市長も当初は、減税の公約実現といいながら、報酬の議論に矮小化されていった。議会に対する不信があったことは事実であろう。今年2月リコールが成立し、その後、出直し市議選が行なわれた結果、減税日本ナゴヤが、多くの期待を集め28議席を獲得し、第1党となった。しかし、不祥事が相次ぎ、その迷走ぶりは言わずもがなである。
多くの市民が熱病にうなされたのだろう。9月定例会では、減税条例を提案するというが、財政見通しもないまま、一体何を議論するのか?
