早稲田大学・京都府協働プロジェクトによる地域力再生のための政策提案を行なった。早大マニフェスト研究所が包括提携を結んでいる人口約4,600人の京都府和束町についてフィールド・ワークを通じて調査をし、持続可能な地域再生の提言としてまとめる。人口減少による過疎化、高齢化の問題を抱え、宇治茶の原産地であるが、農業従事者の高齢化により担い手が極端に減少している。その他、目立った基幹産業や観光もなく、このまま手をこまねいていれば10年後には限界集落となることが指摘されている。
政策提言として、「茶源郷構想」を通じた「お茶」文化のブランド化、森林公園の再整備計画、美しい茶畑の景観を維持したまちづくりによる市民との協働、その他定住促進策の10ヵ年プランなどの提言を行なった。大都市部ではないこうした過疎の自治体における課題を検証することで地域のコミュニティの重要性を改めて考えることができた。先日、豊田市の地域会議を調査したが、旧町村もこうした課題を抱えながら、財政力の豊かな豊田市へ吸収合併を余儀なくされた。こうした過疎の自治体経営というのは極めて難しいが、地域再生の力となるのは、マンパワーの活用と住民の絆(=信頼)といえよう。
*限界集落とは、65才以上の人口比率が50%以上の高齢化が進み、共同体の機能が限界に達している状態。
写真は、北川教授と山田啓二知事(右)。余談だが、山田知事は(河村市長の)「減税」について「究極の自治体による政策の放棄」と批判。旧自治省出身で副知事を経て現在、全国知事会の会長を務める。
