夏休み、目を疑うような衝撃的な事故が国内外で相次いで起こった。浜松市の天竜川では、観光用の渡し舟が転覆し、豊橋市の女性ら2名が死亡、2才の男児ら3名が依然として行方不明となっている。過去にも死亡事故が起こっているが、なぜ教訓が生かされなかったのか?12才以下の子どもには、救命胴衣の着用が義務付けられているというが、12才以下の内、7名中2名しか着用していなかったという。しかしながら、なぜ12才以下だけなのか?乗客の数分の救命胴衣が装備されていないだけでなく、子どもの着用も徹底されておらず、中には座布団代わりに敷いていたというから安全管理のあり方が問われる。
もう1つの事故は、アメリカとカナダの国境にある世界的な観光地として知られるナイアガラの滝で、豊橋市出身の20才の日本人留学生が54mある滝壺に転落する事故があった。目撃情報や監視カメラによると安全用の柵に跨り記念撮影をしていたところ、バランスを崩して後ろへ転落したという。柵には「Danger」と図入りで立ち入り禁止の看板がかかっていた。現地警察当局の発表では、事件性はなく不運な出来事で稀なケースとしている。安全柵を越えることを想定しておらず、お気の毒ではあるが、行政当局には過失はなく自己責任という姿勢である。日本であれば、さらに転落防止の対策などが講じられていたであろう。
毎年、全国で水の事故が相次ぐが、こうした悲劇が起きないよう「想定外」ではなく、危機管理の対応を考えてみる必要があるのではないか?
