大阪市の放置自転車対策の取り組みについて調査を行なった。大阪市は、平成19年度には、5万台の放置自転車があり、全国でも群を抜いてワースト1の状態であった。平成21年度以降、平松市長になって「元気な大阪を目指す政策ビジョン」の中で、放置自転車対策を重点施策と位置づけ取り組み、市民や事業者との協働によって、当初、23年度に半分の25000台となるよう目標に取り組んでいたが、今年2月時点で既にこの目標をクリアすることができた。現在、大都市では、放置自転車の問題に対して慢性的な課題として対応に苦慮しているが、大阪市の取り組みは、画期的な成果を挙げている。しかしながら、なおも全国ワースト1であるため、今後は、ワースト1の汚名返上を目標にさらに削減に取り組んでいくという。
◆放置自転車のワーストランキング(平成21年度:内閣府調査)
1大阪市 41,987台
2横浜市 18,237台
3名古屋市 15,666台
4札幌市 14,776台
5川崎市 13,385台
具体的な取り組みとしては、啓発指導員(有償)や市民ボランティア(無償)の啓発指導員を駅や繁華街などに配置し、啓発・指導・撤去を行なうというもの。またポスターやマルチビジョンを活用しての啓発活動の展開。さらには、市民協働型自転車対策事業「トライアルプラン」として区役所が中心となって市民、鉄道事業者、警察、その他関係行政機関などで対策協議会を設置し、様々な取り組みを行なった。新たな駐輪場整備のほか、キタ、ミナミ以外の市内全域で放置自転車対策(撤去)の強化を実施した。
