政府は、福島第一原発の1号機だけでなく、2号機3号機でも炉心溶解(メルトダウン)が起こっている可能性を示した。これまで燃料の一部損傷としてきたが、地震の津波直後から、既にメルトダウンが起こっていたという。これまでの説明が二転三転し、解析に時間がかかったとしても事故から2ヶ月経って、より深刻な事態を後出しで発表するというやり方は、不安を煽るだけでなく、危機管理能力の無さを露呈している。発災直後から、メルトダウンは、十分予測できたはずである。ならば、最悪の状態を想定して対応すべきであった。
今後、東電の原発収束を示した工程表を変更すると言うが、信憑性を疑わざるを得ない。これまで1万トンもの注水を行なってきたが、高濃度放射性物質で汚染された水は、海や原子炉建屋の地下に漏れ出している可能性が高い。また再臨海や水蒸気爆発の恐れは、本当にないのか?こうした最悪のシナリオに対する危機対応が求められている。
浜岡原発の英断によって、一時的に菅内閣の支持率が上がり、延命しようとミエミエだが、福島の問題は深刻である。原発収束の目途がつくまで、首相給与を返上するというが、もはや政権のメルトダウン状態である。
