(5/29のブログのコメント欄に質問いただきましたので、こちらで回答します。)
<質問>
@図書館はどういう施設とお考えか?
A支所管内に図書館ができ、市民にある程度公平なサービスが可能になったが、民間委託とは、差別待遇ではないか?
@まず、図書館については、教育的な施設であると同時に、学術的にも貴重な資料を取り扱うなど専門的な機能があると思います。また一方で、ソーシャル・キャピタルとして地域のコミュニティや様々な情報・交流発信拠点、生涯学習などを提供する場と考えています。ソーシャル・キャピタル(社会資本)とは、公共政策の分野において、単に道路や港湾などのハードインフラだけでなく、広くネットワーク・信頼・規範・人的資本として捉えられています。公共政策の立案、実施については、自治体(政府)に加え、市民・企業・NPO等の多様な主体が地域との協働により、相互に有用性を高めるものと認識しています。
公共図書館については、中央館や大学図書館のように専門性を高めていくものと、分館(支所館も含む)のようにソーシャル・キャピタルの活用を重視していくものとに区別されるものと思います。また、将来は、これらの有効活用としてPPP(官民連携)やまちづくりの分野の政策を図書館が担っていくものと考えます。
A公平な行政サービスについては、支所館が配置され、市民サービスが向上したことは事実といえます。「差別待遇」というのは、市民にとっては関係ないといえます。むしろ、民間の方が、多様な市民ニーズに応えていると考えます。司書の専門職としての位置づけをいうのであれば、国家資格にすべきでしょうが、現状では、中央館や大学図書館などに配置していくべきと思います。将来的には、議会図書館に行政職の職員が置かれていますが、こうしたところへも司書資格を持つものを登用するなど検討が必要と思います。
単にコストパフォーマンスだけでなく、民間のアイデアというものが大いに期待されているのではないでしょうか。一方で、司書の専門性をより高めていくことも図書館政策を考える上で重要なことと考えます。
(写真は、PFIで運営されている桑名市立中央図書館にて。2009年6月)
