尾張旭市議会議員選挙の応援にやってきたが、ここでも財政事情が厳しい中で、議員報酬や定数が1つの争点となる。現在、名古屋市でも報酬の半減条例が審議されている。報酬についてはこれまでもこのブログで考え方を述べてきたが、再検証してみたい。
単に議員の給料が高すぎるのでけしからんという主観的な議論でなく、しっかりと議員の職責が評価されるしくみの中で、以下の点を考慮して政治活動に資するものであるか考えるべきである。
@まず行政改革の論理。厳しい財政や官民格差からの視点。
A政治家としての率先垂範という倫理観による視点。
B議会の権限・機能強化や議員の資質向上からの視点。
(二元代表制としての議会の職責や機能面の位置づけ)
そうした中で、報酬額決定の要素は、以下のとおり。
A.地方分権の流れの中で、自治体の事業は膨大で複雑多岐である。行政のチェックを行なう上での高度な専門性が求められ、権限の強化、政策立案能力が必要である。
B.生活給的な水準をどう担保するか?議員の活動実態に合わせて同時に公費負担の議論を行なうべき。
C.議会活動の範囲を明示。閉会中も調査研究や公務などに対する評価。(選挙活動や政党活動を除く)
D.公選職である首長の給与(制度値)や特別職である議員報酬との整合性。また他都市との比較。
*地方自治法では、議員の報酬を支払うことと規定し、各自治体の財政規模等に応じて条例で定めると規定されている。
こうした点を考慮し、議会のお手盛りとならないよう第三者機関で決定すべきとこれまでも主張してきたところだ。報酬半減条例の議論の中で、取りあえずやってみようでは、ポピュリズムで民主主義の根幹を破壊する。
●報酬議論の中でみえてきた問題点
@前職議員と新人議員との期末手当に格差を設けた点で、前年所得に基づいた市民税の負担軽減の措置とした点について、公費で税金をまかなうという趣旨は、税執行のあり方として違法性を問われ、監査請求の対象となる恐れがある。(政務調査費などで税金の支払いなどは目的外使用とされている)
A政治活動をどう賄うべきかという疑問に、取りあえずやってみてとの場当たり的な発言。政治資金パーティーも検討したいとの答弁であったが、そもそも政治活動は、寄付で賄うべきと河村市長が言ってきたが、寄付金控除など税制のしくみなど検討が必要。国で企業団体献金の禁止が言われているが、議論が進んでいない。こうした税制や政治資金規正法などの法改正の動向を踏まえた議論でなくてはならない。また景気・経済動向も見極める必要がある。
政治資金パーティー自体を否定はしないが、市会議員がカネ集めに窮し、本来あるべき調査研究や議員活動に支障が出かねないばかりか、企業や特定団体との癒着構造が生まれ、これまでの政治改革の流れに大きく逆行する。
