2010年を振り返ってみると、今年の元旦は、「陽子線がん治療施設」の凍結解除というサプライズで幕開けをした。その後、2月定例会では、予算審議の過程で様々な行政サービスのカットが行われようとしたため、減税条例を1年限りとし、検証を行うこととした。また有識者や市民を交え、議論を重ねながら「議会基本条例」を制定し、議会改革に先進的に取り組んできたといえよう。
その後、参議院選挙で自民党が参院で与党を過半数割れに追い込み勝利したが、8月末からリコールの署名活動が開始された。46万人もの署名簿が提出されたが、選管の判断により審査機関が1ヶ月延長し、その後、審査をめぐって二転三転した挙句に、法定有効署名数が集まり、来年2月に住民投票が行われることが決定した。リコールの問題が始まって4ヶ月余り、市政は対立を深め、市民不在で混迷を極めた1年であった。
今年は、名古屋開府400年やCOP10などビッグ・イベントが行われたが、一方で経済状況は、円高・デフレ不況によって雇用環境も厳しいものとなった。新卒の大学生の就職率は57.6%であった。また生活保護も急増し、当初予算を106億円も上回る状況の中、さらに悪化の様相を呈している。予算編成を行う時期に、市長が辞職し、来年2月に行われる知事選挙と同日選を行うというが、相変わらず政局に明け暮れている。
来年は、こうした政局ではなく、市民のための政策議論を行っていきたい。いよいよ政治決戦の年を迎えるが、全力で闘っていく決意を新たにしたところだ。
