9月定例会で4項再議に付された市総合計画「中期戦略ビジョン」と公開事業審査条例について先の定例会の議決のとおり決したが。河村市長はこれらを不服として、条例交付せずに、自治法の規定に基づいて、愛知県知事の裁定へと持ち込まれた。
これらの再議案件は、総務環境委員会で審議を行なってきたが、多くの有識者も再議そのものに疑義があり、何ら問題ないとの見解を示している。唯一、河村市長が、4項再議の根拠とした本市法制アドバイザーを務める浅野善治大東文化大学法化大学院教授の参考人招致をしたが、その理由や根拠を明確に示すことは出来なかった。本市の他の2名の法制アドバイザー(大学教授と弁護士)はいずれも再議理由に当たらないとの見解。4項再議は、法令違反や明確な権限の逸脱があった場合の義務規定であり、議会の違法性が問われるため、主観や政治的判断ではなく、判例や具体的な法令根拠、行政実例などリーガルな判断が求められる。議会が「けしからん」というのではなく、明確な法的根拠を示すべき。世論を背景に、市長側が強気の姿勢というが、法治ではなく人治による市政運営が行われることに強い危機感を覚える。今回、条例交付をせずに、知事裁定に持ち込まれたことは、極めて遺憾であるが、法に基づいて粛々と知事が判断することを期待する。
