中部大学高等学術研究所で第4回サステナビリティ研究会で同研究所教授の細川昌彦氏が、「東アジアの目で見る“グレーター・ナゴヤ”の戦略」と題して基調講演を行なった。
サステナビリティとは大変幅広い概念であり、環境問題のみならず、高齢化社会への対応など、現代が直面する様々な課題が含まれ、持続可能な社会が求められています。
細川教授の講演は、グローバルな視点でナゴヤ地域圏をひとつの経済活動の基盤と捉え、広域的に行政を捉え、企業や大学などの連携(PPP)を行なうことで、ポテンシャルを活用するというもの。注目すべき内容をいくつか紹介しておく。
■ソウルの電子政府・自治体の先進事例の紹介と公共交通システム(Tマネー)、住民票のオンライン化。医療の電子化。自治体職員を2割削減した。IT化ランキングは世界第1位。日本は37位。
■港湾都市、釜山の発展。なぜ名古屋港が国際港湾から外れたか。国際戦略総合特区として、アジアの拠点として大都市圏の空港・港湾整備が必要。アジアとの都市間連携(アジア太平洋都市サミット)の必要性。
■シンガポールの企業誘致戦略。税・補助金のインセンティブ(@法人税17%Aイノベーション企業に最長15年の免除や減免B本社機能、開発機能拠点、人材育成に補助金)。
国際競争力ランキング1位シンガポール・・・27位日本。
■東アジアの国際イベントに総合戦略が必要。一過性のイベントとして終わらせずに、波及的経済効果を生み出すことが重要。国際会議の開催も重要なファクターとなる。
■グローバル・ハイドロ・ハブ構想。いわゆる水ビジネス。水処理技術のR&D拠点、水再生技術で世界市場を。特に中国では、巨大なマーケットとなる。
■スマート・シティ(環境未来都市)の大潮流。低炭素を目指す都市構想。国内では、5年計画で1000億円の公的資金投入。
*講演の趣旨を箇条書きで羅列したが、非常に分かりやすく有意義な内容であった。
