東アジアの地域協力を進める枠組みである「東アジア首脳会議」(EAS)に米国とロシアが来年から参加する。経済成長の著しい中国が軍事的にも台頭する中、東アジアの平和と繁栄を保つためには米国のプレゼンスが大いに期待される。政府は、東アジアの安定にとって経済・外交・安全保障全般に亘って米国との緊密な連携を深めるべきである。ベトナムで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議でもEASへの米露の参加を歓迎した。
沖縄の普天間基地の問題で鳩山政権が退陣したが、鳩山前首相は友愛外交といって「東アジア共同体」を唱える一方、「今まで米国に依存し過ぎていた」と発言した。日米関係だけでなくアジア諸国にも不安を抱かせ、国益を著しく損なう恐れがあった。4月には韓国哨戒艦隻が北朝鮮の魚雷攻撃によって47名の死者が出た。こうした北朝鮮や中国の軍事的脅威など東アジアは緊迫している。日本にとっても米国が東アジアへの関与を強めることは、シーレーンの安全確保の上でも極めて重要なことである。沖縄の普天間基地の問題も既に8月末の工法決着が先送りを示唆しているが、11月初旬にはオバマ大統領が来日を予定している。11/28に行なわれる沖縄県知事選挙に委ねるというのでは政権担当能力はもはやない。
(写真は、国際平和団体の「日米同盟と東アジアについて」のセミナーで、来賓として挨拶する東郷)
