議会改革推進協議会において名古屋大学大学院法学研究科の小野耕二教授の講演が行われた。専門は、政治学。議会のこれまでの改革姿勢を一定の評価するものとなった。
以下、講演要旨をまとめてみた。
■ややもすると対立や矛盾する概念である目標定立(効率性)と支持調達(代表制)の政治理論を上手く組み合わせることによって政治の二機能が保たれており、政策の意思決定を行なっていく。政策を実行する上で、明確な指針を示すことと多くの民意を得ることが必要であるが、これらの機能が組み合わされてこそ実行される。
■名古屋市議会の現状分析と理論の結合。名古屋市における法的に担保された議決機関として、それにふさわしい体制(定数)と処遇(報酬)について客観的に議論していくことが必要。定数は、自己保身ではなく、一定人数による「代表制(支持調達)」の確保は必要。現状の名古屋市議会の定数は概ね妥当といえる。効率性を求めるあまり、単に財政上の理由だけで削減することは、民主主義の観点から望ましいとはいえない。
■報酬については、公費で活動を賄うことは概ね了とする。専門職としての職責があり、ボランティアでそもそも行なうべきものではない。金額については、具体的な数値はいえないが、他都市との比較、財政状況、経済、社会情勢などを基に議論すべき。公費で行なう以上は、使途の公開を原則とする。(報酬よりも)政調費については、もっと検証を加えるべき。
■河村市政の評価は、市政に一石を投じたという点やアイデアは評価するが、実現の手法が拙速で、もう少し腰をすえた議論が必要。河村市長の評価は40点。
(『週間東洋経済』より)
