減税日本の迷走がつづく。当初は27日の本会議で河合議員の2回目となる議員辞職勧告決議を行なう予定であった。しかし、当の河合氏は全く辞める理由がないとして辞職に応じるつもりはない。そして一転して何が起こったのか分からないが、減税日本ナゴヤが突然、河合議員に対する議員辞職勧告決議案の提出を見送った。また今後、一切の議会運営に関与しなくても構わないとの念書を団長・幹事長名で出してしまった。報道で知る限りでは、リコールするしないとすったもんだがあったようであるが、河村市長がリコールには「反対」しているというのが理由らしい。
しかしながら、仮に河合氏に対して議員解職請求(リコール)を行なう場合、緑区の有権者の3分の1の有効署名が必要となる。緑区の有権者数はおよそ19万2000人。6万4000人の名簿を1ヶ月に以内に集めなければならない。議会の解散請求の時は、有権者の5分の1であったが、それよりもハードルが高い。実際には無効率が約2割あったことから7万6800人程度の名簿を集めることは物理的にも極めて困難である。
またリコールのコストを考えると署名の審査に約800万円。仮に有効投票が集まった場合、住民投票に約4000万円。さらに住民投票が成立した場合、選挙費用が約2300万円で合計でおよそ7000万円の税金が使われることになる。しかし、欠員補充選挙について公職選挙法の規定で市長選挙と同時に実施されることになっている。そのため、来年4月の市長の任期満了に合わせて欠員補充選挙を行なうには、リコール成立までに半年ほどかかることから、すぐにもリコールを開始しないと間に合わない。万一、それまでに衆議院が解散した場合、地方自治法の規定でリコール署名そのものに制約を受けるばかりか、仮にリコールが成立した場合、河合議員を失職させることは可能であるが、市長選挙の任期満了までに間に合わず、次ぎの改選期まで欠員のままとなる。
それでもなお河合議員が居座り続ければ、誰も彼を辞めさせることはできない。1万1142人の市民からの負託を受けたと豪語するが、残念だがまさに主権者たる名古屋市民の「選択」であったとしかいいようがない。選挙の時「うっかり一票、がっかり一生」とならないことを指摘してきたが、それが現実となりポピュリズムの代償は計り知れない。
(写真は2011年6月定例会:中京テレビより)
