いわゆる事業仕分けによって最大の注目となった敬老パスについて「見直し」の判定となったが、これまで河村市長は制度自体は、残すといってきたが、受益者負担増や支給開始年齢の引き上げなど裏を返せば、検討しているようにも取れる。減税しても行政サービスのカットはしないといい続けてきたが、福祉の後退はあきらかである。130億円という事業だけに、乱暴な議論をすれば、減税の財源となりかねない。
最近、河村市長は竹中平蔵氏が朝日新聞の連載で「減税は長い目で見れば効果的、小泉元首相と似ている」と評価したことにご満悦のようであるが、小泉氏は、国民に痛みを伴う聖域なき改革として断行した。果たして敬老パスも聖域とするのだろうか?タックス・ペイやーかタックス・イーターのどちらの立ち位置かということであるが、自由主義の「小さな政府」か、所得再配分という税法の理念を踏まえ、社会的弱者にも光を与えるべきかということになろう。要は、受益と負担の原則と財源を考えなければいけない。
また敬老パスは、一般会計から交通局(企業会計)へ繰り入れている。経営健全化に取り組む交通局においてこの130億円を当てにしているが、その是非はともかく公共交通の運賃体系に影響が出ないかなど多面的に議論をしていかなくてはならない。
