24日よもや「想定外」の事件や事故が相次いで世界で起こった。まずは、ノルウェーの首都オスロで起こった爆弾テロと自動小銃の乱射によって93名が死亡するというホラー映画さながらの無差別凶悪テロ事件によって震撼させられた。逮捕された容疑者は、犯行を認め、イスラム化を阻止するための正義と主張、移民政策を積極的に進める労働党に対する報復となった。平和の象徴されるオスロで誰しもが想像しえない惨事となった。
次に中国の温州で起こった高速鉄道の衝突事故であるが、落雷で停止していた車両に時速250kmのスピードのまま衝突し、4両が脱線、高さ20mの高架下に転落し、43名が死亡、200名以上が負傷するという大惨事となった。高度経済成長を遂げる中国であるが、安全を軽視したものである。その後の救助活動や原因究明よりも事故を隠蔽し、政府の威信をかけて復旧を優先させようとする姿勢が窺われることも批判が集まるが、本来は、自動制御装置が作動し、衝突など考えられないだけに想定外の大事故となった。
こうした事件や事故は、「想定外」と一言で片付けてしまってはならないだろう。米国同時多発テロや日本国内でもオウム真理教によるサリン事件、池田小学校児童殺傷事件や秋葉原無差別殺傷事件、また福知山脱線事故など記憶に新しい事件や事故も起こっている。海外での出来事で対岸の火事ですませるのでなく、危機管理のあり方が問われる。
