2021/5/26

本「相模原障害者殺傷事件」明石書店  他の本など紹介

本「相模原障害者殺傷事件」明石書店
元職員による徹底検証 ―相模原障害者殺傷事件
―裁判の記録・被告との対話・関係者の証言
2021/5/24  西角純志著

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 上記は、津久井やまゆり園事件を検討するとき、今後必須とすべき本だと考えます。類似の名の本も多いが、これ秀逸。

 何といっても、裁判での傍聴記録、取材記録をもとに書かれている。
 はなホーム、にじほーむ、つばさホーム、みのりホーム、いぶきホーム、すばるホームについて、順次記述している。殺された19人と、殺されてしまう所だった24人のこと、そして監禁された5人の職員と逃げ出せた人の経緯も書いてある。職員の立場と感覚も書いてある。

 ために19人の遺族や被害者家族、そして丙Bさんを初めとする職員ら関係者が読むのは、とても辛い処があろうが、記録には残さないと。
 
 被疑者の動き、被疑者の交友関係も整理された形で相当に記載されている。裁判での被告人の供述も、まだまだ注目すべきところがありましょうに、とは言いたいけれど、まあ相当に記載されている。

 ホント、あの裁判では色々なことが分かったのに、多くの本には反映していない。裁判前の情報だけでは、実に不十分なんだが、多くの論者がつたない事実把握をもとに、または喜んで面会していた本人面会で感想をもとに、自分の土俵で語るばかりでばかりだったりしていた。

 筆者は、やまゆり園で働いていた経験もあるうえでの大学講師だから、最重度知的障害者の支援・介護に記述も、重みがある。ほんと白々しい記載がある本も時にあり、「それではあの被告人の思想に対抗し得ないですよ」という外はない。

 まあ、筆者において、いわば獄中にいた裁判前の被告人に「カフカ」とか「ニーチェ」とかを教えたようなものだな、とは思い、従前はイカンなあ、と思ってきたが、それも良いのでしょう。

 大切なのは、事件前はそれら思想はとんと知らず、そも重度知的障害者の廃除思想がナチスと同じだということさえ、ホーム長から退職前に指摘される前までは知らなかったということ。それがも記載されてあるから、良いかと。
 もとより「人間とはなにか」という悩みにぶち当たること自体、何の罪もない、

 すなわち、
@ 成育歴、人格障害、薬物・大麻の影響などを相応に記載してある。
A 職員がぶち当たる悩み、障害の受容について、相応に記載してある。
B リアルの生活でも相当に充実した生活だったことを、率直に書いている。これ誤解が多いし。
C あの思想は、社会情勢や陰謀論などの影響などありしも、自分で作り上げてきたものであると記載がある。
D 後の哲学的な言い方は、法廷でも無理して話されていたが、身柄拘束中にさまざまに学んでの、後講釈としての話であること、
E 彼が、西角氏らに学んだのだろうが、哲学的なことを色々と述べた内容を示してある。

 私は、327-328ページに記載ある2018.5.11の手紙のように、彼は死刑執行の時に思うのだろうか、に関心がある。麻原彰晃こと松本智津夫の死刑執行につき要請し続けたのと同じく、彼のその死刑執行に立ち会いたい自分です。

 ああ、「聖」という名の彼がした事件の現場「津久井やまゆり園」にて、2021.8.15にパランピック聖火の「採火」とかしないこととなり、ホント良かった。
6

2020/9/7

つまらない本  他の本など紹介

つまらない本だった。
・いわば発表の論文集というところ。
・違う意見・角度からのものもそれなりに収録されているならまだ価値があるが、一方向のものばかり。
・資料的な価値ある所の記載もない。
・中身をパラパラ見ずに、題名だけで買うとこんな損をしてしまう、気をつけないといかん。


・右派はなぜ家族に介入したがるのか : 憲法24条と9条
・2018/5/17 大月書店
2

2020/8/24

内閣調査室秘録 戦後思想を動かした男  他の本など紹介

内閣調査室秘録 戦後思想を動かした男
(文春新書) 2019/7/19
岸 俊光 (編集), 志垣民郎 (著)


昨年、こんなすごい本が出ていたんだなあ、
素晴らしい。

これまで、一部の裏付けをもとにうがった書き方、一面からの書き方とならざるを得ない本はいくつかあったが、これは初めて。
実に中心に近い人の日々の工作を、その日誌をもとに書いていると。すごいなあ。信頼性も実に高い。こんな本が、日本でも出るんだ。

公務員の守秘義務は、数十年の後はすべて解除する、でもいいのではないかと思えたりする。志垣民郎氏、生きていてくれてよかったと思う。

まあ勿論、CIAからのこと、政府のお金で色々と対立陣営―左翼―の弱体化のために色々することの問題性をどう思っているのか、と聞きたくなる。
しかし、この方は、戦時中の経験からも「一つの思想に統一されてしまう日本ではまずい」という考えのもとに、こうやってきた。たしかにそれを感じる時もあり。

心棒のある人は、今の内閣調査室にはいないのだろうなあ。権力者の御機嫌伺いばかり、という感じなのかなあ。日本はホント危ういなあ。


どうぞ、どんな思想・立場の人も、ご一読を。
3

2020/8/17

本「だからもう眠らせてほしい」  他の本など紹介

「だから、もう眠らせてほしい― 安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語」250ページ、晶文社 (2020/7/14) 西智弘著

―川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター、腫瘍内科/緩和ケア内科医長。
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―安楽死を願った二人の若き患者と過ごし、そして別れたある夏に何が起こったか―。オランダ、ベルギーを筆頭に世界中で議論が巻き上がっている「安楽死制度」。その実態とは。緩和ケア医が全身で患者と向き合い、懸命に言葉を交し合った「生命」の記録―


1、うーむ、素晴らしい本が出ていたんだ。「安楽死」問題を検討するのに必須の本だろうと。一般に理論や引用ばかり、自らの経験として語っていないものが圧倒的であるのに対し、まさに自分の経験・自分の言葉で話している。尊厳死と安楽死の違いなども、正確に読みやすく書かれている。

2、願わくば、このような本が、ALSの関係医師・関係者からも出てほしい。その進行速度は人により大きく違うが、やがては意識がしっかりあるが、視線の動きで意思を示すこともできない状態になることが知られていない。そも京都事件のような薬剤投与による死亡の前に、胃瘻を入れない、人工呼吸器をいれない形での「尊厳死」を選択するというパラドキシカルな関係にあることが知られていないと。

3、強くお勧めです。
3

2019/2/27

「複雑さに耐える」−美智子皇后  他の本など紹介

私たちは,複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。

東京新聞を読んでて、この言葉、とても素敵だと思いました。
皇后の美智子さんの言葉なんだ。
「本への感謝をこめてつけ加えます」とした後のこの一節。「読書は,人生の全てが,決して単純でないことを教えてくれました。」に続いての言葉とのことです。

そう、多くのところで単純化した論がされている。歴史や、政治や社会一般だけでなく、刑事裁判にまでなっていた案件でも、です。容易に出てくる事柄につき、調べもせず、自らの考えに反する所はむしして、勝手なことを言っていたり。ツイッターの280字ぐらいしか読めないのかね、と言いたくなる。

で、下記サイトを読んだりした結果、後記の2つの本を注文してしまった。
https://ameblo.jp/haramoto-miki/entry-11718012215.html
http://c-ko.blog.jp/archives/5312299.html
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/ibby/koen-h10sk-newdelhi.html

橋をかける (文春文庫)
−美智子著
でんでんむしのかなしみ
−新美南吉著、大日本図書
7

2019/2/12

本「宝島」  他の本など紹介

「宝島」真藤順丈著
https://bookmeter.com/books/12954988

読みました。とてもいい本でした。
−通例ブックオフに売ってしまうことが多いのだけれど、保存します。

そりゃ、フィクションでしょうけれど、背景たる
・宮の森小学校墜落事件、
・コザ暴動、
・密輸のこと、
・琉球の歴史
・そして洞でのこと、
・МPのこと、
・嘉手納基地の途方もない広さ

など、実に全く、と、沖縄の歴史を知るには必須だろうと。

安倍首相らにも読んでほしいが、まあ読まない、読めないのかも。
6

2016/3/24

預金も審判対象に?と預金押えのこと  他の本など紹介

3月23日の、時事ドットコムの抄本
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、最高裁第1小法廷は、審理を15人の裁判官全員で行う大法廷に回付。預金は遺産分割の対象外とする根拠となっている最高裁判例は、実務との隔たりが指摘されており、見直すとみられる。遺族の1人が別の遺族に対し、約3800万円の預金などの遺産分割を求めた審判。一審大阪家裁と二審大阪高裁は、遺族間の合意がない場合、預金は分割できないと判断
*******


 ああっ、ようやくだ。この問題、実に常識に反した判例が維持されてきた。早く変更してほしい。
 すなわち、預貯金は家庭裁判所の「審判」の場合は、審判対象とならないとしてきた。各相続人は金融機関に、その法定相続分に基づいた請求を各自すればよいという言い方にて。


 ですがね、金融機関は遺言書に記載などあれば格別、なければ相続人全員の同意―調停調書や全相続人の実印と印鑑証明付の同意―がなければ、応じなかった。でも、実に最後までまとまらないこともまま、ありましてね。
  金融機関あてに各人が訴訟を起こせば、各人は法定相続分を取得できたが、あまりに迂遠、費用と時間がかかるだけ、結局休眠口座を増やしてきたばかりではないか、と。


「銀行がおかしい」という言い方もありますが、金融機関はそこまで各相続人の対応など到底できないものであり、もとより相続人の争いに巻き込まれたくないものだから、訴訟されて初めて払うというのは理解できるものです。

 類似の判例というか取り扱い変更を切に希望するのは、預貯金の差し押さえや仮差押えの時、金融機関の特定だけでなく、支店名まで特定しなければならないことです。
―これ、銀行が抵抗しているのだが、こちらの方は、とうにコンピュータ化され金融機関ごとに個人の預貯金など容易に把握できる以上(実際税務署対応では銀行は協力しているようですし)、銀行が債務者の財産隠しに協力しているという外ない。なんとかならんか、と。
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