2019/8/7

日本共産党へ―とある面談にて  憲法・社会・官僚・人権

2019.8.4、とある所で、日本共産党に意見を申してきました。
私の意見の要旨は下記です。ご参考までに。他の意見ともども、メモとして上部に提出するとのことでした。やがては変更されるよう、期待します。
*******
本日は、自由な要望など聞いて頂けるのこと、寛容な対応に感謝します。

私、日本共産党のここ数十年の政策が多く支持できること、能力と意欲があり、真摯に活動している多くの党員を知るにつけ、政権の一翼を担ってもらいたいと以前から思ってきました。

しかしそうなりませんでした。
あと10年すれば「殆ど後期高齢者の政党」となります。やがて消え去りましょう。日本の政治を変えるためには、投票者のあと5%、有権者で言えばあと2.5%の投票行動として、日本共産党に入れてくれればいいのです。それを少し超えれば、与党の一角も担いうるのです。しかしそうならないままに今日を迎えています。

それはなぜか、率直に言います。
民主集中制です、これを廃止してください。これは40数年前から折に触れて言ってきたことです。今回、この場で言えることは幸いです。是非とも上級機関に伝えてください。

国民・県民は見ています。いろいろ工夫しても日本共産党の得票率はまず変わりません。それはなぜか、もはや自民党らのアカ攻撃のせいではありません。日本共産党自体に不信を抱かせる要因があるからです。

すなわち、代表の変更・政策の変更が、ボトムアップでとんと行われず、突如上部からの変更となっていて党内の議論が外から見えず、国民からの信頼を得ていないからです。そのまま政権を握れば、日本国自体がそうなるのではないか、と著しい不安を持たせているからです。

国民は日本共産党が「いつも一枚岩である」ことなぞ求めていないのです。それは実質議論ができない組織だと示してしまうからです。いままで除名などされた党員、それがいかに実績ある人でも、その後は酷く非難される状況を見て、恐ろしさを感じるのです。

「前衛」だと自分を規定するのはご自由ですが、国民を馬鹿にしてはいけません。党は、いろいろな議論の上で、しかしその上の各時点で、まともな政策をとってくれればいいのです。

「党議拘束」というのがあります。他の政党でももちろんありますが、それは議論の上で当面、議員が一致させて1つの党なのだから拘束しあう、と言うものにとどまります。

日本共産党の「民主集中制」は「党議拘束」とは全く異なります。そもそも、民主集中制は言語矛盾です。軍隊ではないのです。党内民主主義のためには、左・右関係なくどんな政党であっても権力が集中しないことが必須です。

支部で4割の意見があっても上に伝わらず、一つ上で4割の意見となってもその上に伝わらずというシステム、そして最上級の決定を皆で学習するというシステムです。これを繰り返せば、少数意見はいつまでたっても下部での少数意見にとどまり、党の決定が硬直的なものとなること、当たり前のことです。

それでなくても、集団には「寡頭性の鉄則」があります。ヒト・モノ・カネ・情報が集中している指導者層が、権力を長く維持されてしまう傾向にあり、「民主集中制」は、むしろその制度的保障になってしまっているのです。

しかし、それでも変わる必要があるから、突如、上の方から、変えられるのです。それでは国民からの本質的な信頼なぞ醸成されるはずがないではありませんか。

代表者の選出過程もまったく同じことです。委員長候補というものがいて、その選挙過程が党員から見える、投票権があるとなったら、一般国民はどう感じるでしょうか。これが実現していないことも、国民からの信頼を欠いている決定的な原因なのです。

あるいは、いつか民主集中制の制度のままに、代表選出が党員の直接選挙による、と変わるかもしれません。しかし上の方が、突如提案があって変更する、というまた「上からの変更」をせざるを得ないのが民主集中制です。おかしいではないですか。

このようなことを党員以外が言うのはおかしい、と言う声も時にあります。それは間違っています。党員がそれを言うことには除名もあり得る大きな勇気が必要であり、ましてそれが上に、さらに上に伝わるものではありません。民主集中制なのですから。言語矛盾そのままです。

組織防衛のために必要、という声もあります。確かに、その心配は過去あったでしょうが、しかし情報社会、コンピュータ社会、IT社会の今日です、民主集中制をとろうがとらなかろうが、把握できます。党員を権力側から把握されてはならないから「民主集中制」という論理は、もしやなんら説得力がありません。

「民主集中制」は、党員間の支部を超えた交流、いくつもの広い交流のもとに進んでいこうとする党員各自の意欲と能力の活用を阻害しています。そんな組織であれば、若者が入りたがらない、入ってもやめてしまうことがままあるという状況は、当たり前のことです。

日本共産党が、「共産主義」をいつか実現したいというのは自由です。ですから、私は党名については今言いませんが、しかし共産主義は、党の制度として「民主集中制」を論理必然とはしていないはずです。

仮に、論理必然だなどと強弁するのであれば、日本共産党が完全な「部分社会」になってしまっており、むしろその指導層の専恣に任せる党になってしまっている、という自白でしかないと思います。「善意」であろうがなかろうが、専恣です。

過去100年になんなんとする歴史の中、民主集中制をめぐっては様々な経過があったことは、不勉強ながら知っています。失礼ながら、外から見て、不毛・有害無益の紛議であり、少なくない人の涙が流れました。当人らの立場に立って考えてみてもいいのではないでしょうか。

今、自民党は安倍政治の中、2015年安保法のみならず、改憲に突き進んでいます。もとより、後に国民を塗炭の苦しみの中に置くアベノミクスに執着しています。

一方、日本共産党は、このままであれば「民主集中制にこだわり、やがて後期高齢者の政党、そして消滅」していくこと必定です。

有権者のうちの数%〜10%弱が、日本共産党の「民主集中制の廃止」による変化を感得してもらえれば変わるのです。
どうぞ、民主集中制の廃止を、真摯にご検討ください。
               
2019.8.4  滝本太郎
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2019/8/5

消費税と法人税減税  憲法・社会・官僚・人権

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日本の法人、特に大企業関係の実効税率については議論が色々ある。★しかし、この表が、消費税とその増税が法人税率を下げるためのものだった、と言う実質を良く証明していることは確かだと。昔から説明されてきた福祉の維持充実のためというは、偽りなのだということ。

下の文章は、FBにこれを記載したところ、FB友人の書き込みです。事業をしている方です。貴重な書き込みです。了解を得て転載・保存します。

太田雅久
 中堅企業(340億円程度)の副社長を担っています。海外自社販社は12社、生産工場は中国とラオスですが、本社を日本外に設ける事は検討しましたが無理との判断です。私達経営側はグローバルタックスの低減を課題としてはいますが、事業対象はグローバルマーケットとしても、日本企業から脱皮するのは(?)新自由主義的マネービジネス企業のみと思えます。累進型法人税はウエルカムです。また、社員給与も、その分税減税とする政府施策が取れるのであればウエルカムです。
 時代は変わっています。私のような見解を持つ経営者はまだ少ないかと思いますが、理解が拡がれば経営側の多数派になるかと思います。大企業の経営陣はサラリーマン化していて資本家ではないですし、中小企業には山本太郎さんや松尾匡立命館大学教授の経済政策は、新しい時代の会社の有り様を示唆していると思います。
 「会社」自体が時代と共に変わる事が、現代の様々な問題を解決する事に繋がると考えます。特に「株式会社」です。
 新自由主義的資本主義ではなく、民主的な社会的市場経済主義に変わるのが良いと考えています。
 ドイツがその方向ですが、まだまだ「会社の民主化」では例が少ないと思いますので、社会主義的制度(共生的制度)の多い日本こそ、新しい時代を志向出来ると思います。
 その点から、私は経営側の1人としても、山本太郎氏の新しい政治的潮流に協力します。
 敢えて、中西さんに応えるため、個人的な事も書き入れました。今の経営側としては、このような見解を述べるのには多少覚悟(笑)が要りますが…😣

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2019/7/14

地元での応援演説  憲法・社会・官僚・人権

 自分は徹底した保守主義者だから、安倍自民党やこれに同調する公明党、維新には入れられないなあ、と考えてます。
 「保守」は、流れる血と涙を少なくするために「現状認識の上で争い小さく漸進を」であり、やたら理想を、時にはユートピア思想を言う「革新」よりマトモだろうと。
 で、安倍自民党は、「昭和維新」のごとき「平成革新」だとし、かつアメリカヨイショばかり。つまり「保守主義政党」ではなく「反動売国政党」です。だからまずいっしょ、と。
 神奈川県では参議院定数4のうち、少なくとも2議席を、立憲野党が取らないと。安倍政権の横暴が止めたいと。神奈川では今回、立憲現職の牧山氏と、何年も努力し相応の票を集めると思われる共産の浅賀氏に入れないと、と。

 先月、長く議員をしてきた元有力者さんから、安倍は危なさすぎる、若い自民党議員も勇ましくって危いんだよ、と直接言われたな。流れに乗ることばかり考えているし。戦争の記憶を実感しつつ長く政治家をしてきた人らは、自分と同じ印象なのだなと。


 下記は、2019.7.9朝、地元の中央林間駅前で、神奈川選挙区から出ている「あさか由香」さんという人を応援したときの、演説原稿です。ご参考までに。

 4市共同市民の会の事務局長をしている弁護士の滝本太郎と言います。この会は、綾瀬、海老名、座間そしてこの大和の4市の市民で作っています。
 この参議院議員選挙では、あさか由香さんと牧山ひろえさんのどちらから入れてくださいと応援することと決めました。

 2人にしたのは、定数4のなかで何としても立憲野党から2人を当選させなければならないからです。3年前のように共倒れで一人の当選では困るからです。もちろん比例は、維新以外の野党に、です。
 この2人は、野党は共闘、安倍9条改憲を止める、2015年安保法、戦争法を廃止したいという会の方針に賛成してくれ、また厚木基地の問題、あの甘利さんの問題でも会の方針に賛成してくれたから、強く広く応援しています。

 私、こんなことをしていると、時に「この共産党が、死ね」などと言われたります。私こそが共産党を時に強く批判しているので頭にくるのですが、今回の選挙、左翼だろうが右翼だろうがいいんです。安倍政権の腐敗と横暴を止めるにはどうすれば、いいか、その一点なんです。

 人に「死ね!」と、他の人に言う、時に自分より弱い立場の人に言ったりする。そんな「生きているのも辛い、将来に夢のもてない国」を、変えなければならないんです。一人ひとりに、せっかくの命を生きて欲しいんです。一人ひとりの花が少しでも開けるようにしなければならないんです。

 「結果の平等」を求めているのではないんです。生きていく中で、「機会の平等」を求めているんです。どこかの太郎さん、権力者の太郎さんのように、銀のさじをくわえて産まれた人が「年をとった時、2000万円もないのか」とうそぶく国では困るんです。恥じらいげもなく、貧富の差を広げてきた権力者では、困るんです。

 返済義務のない奨学金をしっかりと作らなければならないんです。高校の授業料をタダにしたのは自公政権ではありませんでした。国立大学なのに4年間で242万5200円もかかるっておっかしいではないですか。

 景気をよくするには、日本では6割をしめる個人消費を伸ばさなければならないんです。若い人が、安心して子供を作れる国にしなければ無理に決まっているではないですか。それなのに消費税を上げる、賃金は低いまま、仕事は不安定なままでいい、という政策って、なんなんですか。
 
 私も、少ない人数ですが人に給料を渡している立場です。事業をする人は、そリゃ低い給料で働いてくれて、いつでも首が切れるのであれば、当面助かります。よく分かります。しかし、そんなことでは、従業員が幸せでいられるはずがない。事業が長続きするはずもないんです。だから最低賃金も上げなければならないんです。非正規労働では困るんです。

 富裕層は、忘れてはいけなかったはずです。経済格差が大きく、しっかり固定化してしまっている国となれば、富裕層もおちおち生活してしられないんです。戦後、この単純なことを日本の富裕層は知ったはずだったのに、今、何を考えているんでしょうか。

 超富裕層が得をする、株の配当や売却利益が、何千万円、何億円あっても分離課税20%どまりの税金なんて、おかしいです。大企業の内部留保ばかりが増えていく、そんな税制はおかしいです。

 まして、権力者のお友達は、平気で優遇をする、それがばれても恥ずかしいとも思わない、自分たちの権力を守るためには、自衛隊の日報も統計も公文書も、隠す、改ざんする、廃棄する、そんなことをやっている権力者では、我がニッポンは終わってしまうではないですか。

 今、そんな安倍自民党を止める人を議員しなければならないんです。ウソばっかりの国では、若者は、夢も希望ももてないではないですか。

 我が日本が、アメリカに間接的に支配される植民地でいいと考え、やたら無駄遣いするようでは困るんです。われわれ基地周辺の者は、「Y」ナンバーがとても怖いです。米軍関係者が、あの地位協定によって治外法権のようになったままでは、困るんです。基地経由であれば、アメリカから誰が入国しているかわからない、そんなめちゃくちゃなことでは困るんです。ドイツやイタリア程度にはしっかりと交渉しないといけないんです。

 もちろんアメリカと友好国でなければならないと思います。中国のような監視社会、一党独裁の国にしてはならないんです。中国では偉くなる、権力を持つ側になるためには、中国共産党に入るのが当たり前です。逆らえば、いろいろな不利益をこうむるんです。そう、日本では、自民党こそが中国共産党ともっとも近いんです。
 
 今、安倍政権は、あの墜落したステルスF35、100億円を147機買うって言ってます。米軍は、その前のF15を80機、配備することに決めたのに日本は147機のF35って、なんなんですか。オスプレイ、アメリカ陸軍は、あの危なっかしいオスプレイは配備しないんです。それなのに200億円のオスプレイを17機買う日本って何なんですか。
 イージスアショアを秋田にしたのは延長にあるハワイの米軍基地を守るため、山口にしたのはグァムの米軍基地を守るためでしょう。なんでそれを日本が6000億円かけて作らなければならないんですか。 

 なんで、そんな無駄遣いをするんですか。安倍さんらは、いったいどこの政治家なんですか。自民党や公明党は、いったいどこの国の政党なんですか。

 憲法9条の2として「自衛隊」を書き込めば、海外でまた戦争をする「軍隊」になります。9条に規定にかかわらずと否定して「内閣総理大臣の指揮下に自衛隊を設置する」という規定になるんですから。「戦争放棄」の規定ではなく「安全保障」という名の軍備の規定になるんです。自衛隊が米軍の下っ端となって世界各地に派兵されるし、日本の権力者の判断でまた海外派兵できるんです。

 さらに「緊急事態条項」をいれれば、内閣がつまり法律を作れます。独裁が完成してしまいます。独裁は、自民とだろうとどこの政党だろう、決して許しません。

 今、牧山さんは3位以内に入れた、最後の4番目をあさかさんと松沢さんが争っていると報道されています。松沢さんは、「ニッポン維新の会」です。

 維新は、自民党同様の改憲を目指している、隠れ自民党です。そしてIRつまり横浜などで計画されているカジノに賛成している政党です。日本ではもうカジノがいっぱいあります。年間20兆円のパチンコ店、そのギャンブル依存も解決せずに、なんでさらにカジノを作るんですか。トランプのご機嫌とりもうやめてほしいんです。

 松沢さんは、1987年以来、進歩党、新生党、新進党、国民の声、民政党、民主党、県知事の後にはみんなの党、次世代の党、希望の党に移り、その党首だったのにこの6月には「日本維新の会」に移った人です。めちゃくちゃじゃないですか。そんな松沢さん、「日本維新の会」を参議院議員にしていいはずがありません。

 あさかさん、素敵です。「8時間働いて普通の生活ができる社会を」このシンプルな言葉を、自分の心の底から叫んでいます。なんとかあさかさんを押し上げてください。当選させてください。友人に、知り合いに電話をかけてください、人に伝えてください。お願いします。20日土曜の夜8時まで、頑張りましょう。        以 上   
10

2019/7/1

死刑廃止論、日弁連について  憲法・社会・官僚・人権

1、死刑廃止論の理由として「人は何があっても人を殺してはならないから」は止めた方がいい。これを多くが言う間は、日本では死刑は廃止されないだろう。
・そも「人を何人も残虐に殺した人」のことが議論の対象なんだから。
・「何があっても」は、正当防衛など想起すれば明らかなとおり、明らかに偽りだから。
・そして勿論、「人を殺してはならない」は結論であって、理由とするのは論理が矛盾しているから。

2、私は死刑存置論者なのですが、日弁連が死刑廃止を決議・運動することは反対しないです。というのは、強制加入団体だが人権の絡むこの問題で、まあ3分の2以上が死刑廃止の意見でしょうから。それなのに活動できなかったら、日弁連は何もできなくなってしまう。

 ただ私、かなり珍しい立場で、色々表現もしてるが、議論の場に呼んでくれないなあ、その程度にしか詰めてないのね、と。

下記をご参照までに。
「死刑廃止論の方々へ」
https://sky.ap.teacup.com/applet/takitaro/20181003/archive

「具体的事件で考えるべし」 
https://sky.ap.teacup.com/applet/takitaro/20181012/archive
6

2019/6/30

「不同意性交等罪」−伊藤氏のツイッタ―  憲法・社会・官僚・人権

 伊藤和子氏のツイッターでは、伊藤氏は毎日のような同じことを何度も何度も書き込んでいて、流れてしまう。一度、下記につき書き込んだが、今はまず見つからない。まあ、ツイッターに長々と書くものではないが、同氏のフェイスブックは見当たらず、ブログもコメントできないみたいなのでして、仕方ないものでした。
 議論の発展性なんてどうでもいいのかな、まさに反復話法での扇動になってしまっている、と感じます。参考までにまとめておきます。


伊藤和子 #刑法改正
ついに6月24日に署名を提出します!! 50000で提出したい❗是非広めてください。お済みでない方は署名お願いいたします。


1、<強制性交罪>から<不同意性交罪>への改正運動において、運動される人の中の一部に誤解があるのではと思い、書きます。強盗罪235条、強姦罪177条、強制わいせつ罪176条の「暴行又は脅迫」について、そして議論されている「性交の同意」についてです。

2、なおまた、伊藤先生からは、聞けばドイツ刑法の先の修正「認識可能な意思に反して」で犯罪成立、という改正を紹介されたが、日本刑法の改正として案を提示しないので弱っています。なお、この条文ですと、いわば「過失強制性交等罪」もあり得る可能性さえもあります。

3、さて、同じ「暴行または脅迫」だが、判例上は
235条が「反抗を抑圧する程度」、
177条がそれより弱くても成立「反抗を著しく困難にする程度」とされ、
176条が法定刑が低いから更に弱く「困難にする程度」でも良いという所かと(ために強制わいせつは電車内チカンで強いて手を入れたでも成立など)。

4、問題はその具体的適用です。改正運動の前に気が付くべきは、条文はどれも「暴行又は脅迫」という同じ表現なのです。
 すなわち運動として「強姦罪は、強制わいせつ罪の「反抗を困難にする程度の暴行・脅迫」で認めよ。」という世論と裁判官に訴えることもできる、ということです。

5、さらに重要なのは、176、177条とも文言上は「同意」があっても有罪とできること。勿論「和姦は強姦ではない」ことから同意が議論となります。
 しかし「暴行又は脅迫の上での同意」なんては「同意」ではもちろんないし、判例上、直截にそうして有罪としたと思われるものも多く、かなり裁判官の考えによると感じます。

 補充@−「同意」が構成要件ではないので、暴行・脅迫と姦淫との因果関係判断の一環としての「同意」判断であり、同意があっても因果関係が断絶していない、という発想ができるのです。
 補充A−判例の変更ということはあるんです。上品な話ではないが、大昔は、強姦罪は大昔は陰茎を全部挿入して初めて既遂でしたが、後に一部挿入にて既遂となりました。そんなのも判例変更というものでして。

6、「同意なくして」とかが構成要件となった場合は、尚更に裁判官の考え次第になってしまう、と気になります。合議体でも、です。このような、文字通り外見に示されない主観的な構成要件は、なるべくは避けるべきとされてきたものでした。

 さらに、何度も書いているように、高松高裁S47.9.29例など、2週間前の「脅迫」で有罪としたが、同意要件にすれば被害者が電話して場所と日時指定していて「同意ある」から無罪だろう、まずいのでは、と考えます。

7、上記のことから、「不同意性交等」への変更論議の前に、
・まずは、全ての裁判官に向け、研修所等で被害者心理をもっと学べ、
・併せて判例変更を求める、という運動をすべきでは、と思うんです。
―「支配と服従」のこと、知られていなさすぎですから。

補充: この手法であれば、殆どの弁護士何も言わないものです。そもそもが検察立証の問題であり、高裁もあるのに、直ちに裁判官批判、果ては罷免運動にまでなってきたから、疑義が多く出たのです。各裁判官それぞれ無罪判決を出すときは実に相当に精査して、勇気を出して下しているものなんです。それ以前に当該裁判に関わっていたのでもない人が、判決の精査もしないままに激烈な批判を始めれば、違和感が表明されるのです。

8、また、同意の立証責任や詐欺的同意は同意か−そんなはずじゃなかったあという性交での、男や女の有罪・無罪−の問題に答えずに、その改正を言うは説得力を失わせると思います。

「同意があれば罪にならない」典型例は、私文書偽造罪でしょうが、そちらは詐欺的同意は「同意」にはならないと思われるので、同様に考えると、例えば「独身という話だったから性交した」という場合の、言った男や女も不同意性交罪になってしまいます。

9、最後に、178条準強制性交等罪は「心神喪失又は抗拒不能」とありかなり限定的であるところ、「著しく心神を減退または抗拒困難な状況」という条文への改正運動は、理解できます。
「ともかくも不同意性交等罪に」という動きは、まったく訳が分かりません。

以下、20190704補充
10、補充しておきます。先生の6月24日の下記書き込みについて。
    ******
1 不同意性交を性暴力として認識するか
2 不同意性交ないしその一部の可罰的違法性を認めるのか
3 構成要件をどのように定めて罪刑法定主義の要請に答えるのか
それぞれの論点があり、それぞれ議論すればよいと思います。
    ******
これは、運動家たる質問であり、法律家たる質問でないです。
1は、どちらの構成要件も現行刑法にないのだから答えようがない。もとより民事上多くは違法だろうが。 
2は、その構成要件が今はないから刑法学上の「可罰的違法性」を論じようもない。 
3は、改正したい側が提示するのが当たり前であり。

以下、20190706追加
4つの判決を丁寧に分析した園田寿教授の文書が出ましてね。どうぞ広くご参考までに。
https://news.yahoo.co.jp/byline/sonodahisashi/20190705-00132901/
 それにしても、7.21参議院議員選挙の大阪選挙区、共産党の辰巳議員と立憲から出ている亀石弁護士につき、このことが影響しないことを祈ります。どちらも議員でいてほしい方です。
4

2019/6/25

「強制性交等罪」から「不同意性交等罪」へについて  憲法・社会・官僚・人権

 「強制性交等罪」から「不同意性交等罪」への改正論議のこと、ネット上なんか建設的な議論になってない。
 反対論者が判例分析などしても、賛成論者が対応していない感じ、無理筋の他の罪との比較までしているし。
 そして、改正論議なのに条文案も示されず、伊藤弁護士は先の修正ドイツ刑法を紹介してた、下記の60頁以下です。これ議論できようと。
http://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2018/10/fd22b15527b766e9563e6e4aa373efe0.pdf

 新ドイツ刑法第177条1項「他人の認識可能な意思に反してその者に対する性的行為を行い*** 6月以上 5年以下」、2項1号「行為者が、その者が反対意思を形成又は表明できない状況を利用した場合**」暴行あれば加重と。

 「認識可能な意思に反して」で有罪とすると、過失性交罪も含むとも言いえる。
 刑事法の謙抑主義をドイツ刑法は捨てたのか。倫理規範たる刑法ではない筈だが。
 詐欺的同意はどうする?=「独身だ」「結婚する」とかの偽りを言った男や女、「騙しできちゃった結婚」の女性は有罪か。あいまいに過ぎる。
3

2019/6/14

「運動家?」として敬服  憲法・社会・官僚・人権

*******
https://news.yahoo.co.jp/byline/itokazuko/20190612-00129868/
性犯罪「意に反する性交を処罰する」立法提案が「冤罪を生む」は本当か。他の犯罪と比較してみよう。 伊藤和子 | 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長 6/12(水) 22:51
*******


 伊藤和子弁護士は、住居侵入とて「同意」が問題となり、不同意云々はおかしくない、という言い方をしている。なんなんだか。住居侵入は一方当事者のみが被害者になるもの、性交は論理的にはどちらの被害者なり得るものですし、何より保護法益は全く違うのに。 

 なんで伊藤弁護士は「同意なくして性交」にて有罪、とする構成要件ばかりの運動をするのだろうか。なぜそれにこだわるのか。感覚的・スローガン的に過ぎるのではないか、と。

 議論内容も乱雑だろうと。住居侵入罪の「正当な理由」判断などと比較して、暴行・脅迫とかでなく「不同意」を要件とするとしても、他に比べてえん罪の危険性が高いものではないと言いたいようだが、それは違うと。

 住居侵入は、まずは他人の家に入るという通例でない行為があるのだが、性交は、少なくない被疑事件がそうであるように、ホテルにともに入ったり、片方の部屋だったりする(つまり住居侵入とは異なり、外観的な他の「行為」がないのだから)、残る問題は「同意」それ自体のみになります。

 第2に、えん罪の危険性を直截に見つめていません。★「同意してないと思った」と自白させれば、暴行など一切なくても有罪となるのですから、自白をとることが大切であり、代用監獄問題からしてもえん罪の温床となる、という単純な話でなんです。

 第3に、「同意」といった主観的要件はなるべく入れないのが罪刑法定主義の精神に合致すると思うんです。私文書偽造罪では本人の同意なしが必須になること仕方がないですが、同列に強制性交罪を「不同意性交罪」に変えることが有害無益ではないか、と検討する必要がある。

 趣旨は、「同意の意思表示をしていないにかかわらず性交等をした者は」とか「不同意の意思表示をしたにかからず性交等をした者は」とかではなく「同意がないにかかわらず性交等した者は」と言うことでもあり、まさに主観的要件でしょう。

 第4に、高松高判S47.9.29事例を忘れないでください。類似事例もあるだろうと。これは、2週間前までの脅迫によるとして有罪されたものです。しかし、場所、時刻を被害者側が指定した事例であり、「不同意」が要件だったら、いくら何でも「無罪」になってしまうと思います。

 ★自白強要ができない国になっていけば、「同意してると思った」で無罪になる以上、同様に無罪率が高くなってしまうのでは、と恐れます。

 第5に、詐欺的同意の問題を論じてないです。極端には「結婚すると女性と約束して性交した男」「安全日だよと言って性交を求めた女」は、強制性交罪になってしまうのか。前者は約束が違う、後者は妊娠して云々トラブルが、民事ではかなりあるんです。
 私文書偽造で、名義人から詐欺的に同意を得ていた場合は有罪だったのではなかったかしら。詐欺的にとった「同意」も同意として有効なのかどうか。はっきり説明していかないといけないだろうと。

★伊藤先生におかれて、暴行・脅迫や抗拒不能、監護者性交の要件を少し緩めるといった提案を、なぜ考えないのか、とつくづく思う。

★自分として、涙を見てきたカルト問題など思い起こして、「抗拒不能」につき心身喪失に匹敵するものでなければならないのか、監護者性交罪につき18歳になればすべて適用できないでいいのか、「著しい支配と服従での性交は有罪」という実質をとるための立法政策は? と思ったりしています。議論していく余地はあろうに、と。

★まあ「同意」を構成要件にして「不同意性交罪にすべし」と主張しつつ、落としどころとしてを要件緩和あたり、と考えておられるのなら、「運動家として」大したものです。
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