2013/9/9

2013.9.4-婚外子も法定相続分平等判決  憲法・社会・官僚・人権

婚外子も法定相続分平等判決

先日の最高裁での判例変更。ようやくでした。
憲法14条に違反しますもん、もともと。
生まれは、自分で選べるものではないのだから。

で、広く知ってほしいこととして、ここで変わったのは、「婚外子の相続も、平等にしたかったら、遺言書を書いておく」というのが、「婚外子であろうがなかろうが、分け方を決めておいたり、平等にしたくなかったら遺言書を書いておく」という違いだけです。

判例の変更は、遺言がなく皆が限度までの権利を主張した場合の「法定相続分」の問題でしかないのだから。もともと、妻と嫡出子だけであっても、そういうつもりだったんならば、それなりの遺言書を書いておいて欲しかったなあ、と思う事案が少なくないです。もっと、弁護士の所に、気軽に相談に来るべき、と。

ああ、弁護士、それもまともな弁護士の助言でないと、やたら節税ばかり考えた遺言書でむしろ紛争を拡大させてしまったり、肝心なあと1行の記載がなかったりして、後々問題を残すことが少なくないものですから、ご留意を。一度など、ハンコも指印もなかった、なんていうこともありました。本当にそんなこともあるのです。


さて、人によっては、生まれで不平等があるのはあたりまえ、親の資産、収入、環境また性格、知的能力、運動能力などでも、その後の生育環境からして子どもは不平等ではないか、だから結婚制度を維持するために、婚外子は法定相続分の差別は甘受すべき、なんて言う人がいる。

たしかに生まれながら皆、平等なわけではないです。なるほど、と思う人はいよう。だが、
1−憲法14条は「人は生まれながらに不平等だが、平等であるべきである」という規範を示したものです。
2−収入格差などは、累進税率、育児手当、奨学金などで平等に持っていく方法があり、実際、まだまだ不十分だけれどそのようにしている。
3−子供に障害などあったりして不平等だからこそ、療育を篤くすることなどが憲法14条から要請されるのです。
4−一方で、同じ親から生まれたのに法定相続分が法律上違うのは、法律自体が差別を作っているのであり、もろに「平等であるべきである」という規範に違反している。

これ、多くの違和感を表明している人は、資産などある男性の正妻と妾がいて、正妻が努力した場合で、その子ども同士の法定相続分のことばかり想像している傾向にある。

だが、
1−母の相続においても、法定相続分の差別があるんです。
−つまり、女性がある男性と恋愛して子ができたが結婚に至らず認知のみであり、後に他の男性と婚姻してから子どもが生まれ、母の収入・財産が多いところ、母が死亡した場合も、差別があるのです。同じお腹から生まれたのにね。

2−夫の正妻と妾さんがいたような場合であっても、正妻とは極めて長く別居し、夫の資産形成や看とりを妾さんがしてきたような場合もまだ相当程度あり、それでも夫死亡により子ともに差別があるのです。正妻の相続権2分の1、妾さんの相続権ゼロは当り前でしょうけれど、その上での子供までの差別です。

3−正妻との間に子どもがいたが、長く十数年も生活費は送ってきたが別居つづけ、まあ離婚してもらえず、内縁の妻ができてそちらにも子どもができたが、直後に事故で死亡した、と言うような事案もあるのです。(そりゃ、今は裁判離婚が認められる範囲が広くはなりましたが、まだまだ裁判までしない人も少なくないのです)


そんなような場合まで、子ども同士の法定相続分が違っていていいのかしら、違和感を感じるのではないかしら、と思うんです。

だから、
1−最高裁判決は正しい、と。実に遅すぎたんです。
−国会で改正すべきだったところ、自民党議員の多くの反対その他で改正されないままだった。国会の怠慢だったんです。
−判例変更と言う形だったので、どこまで遡及させるか、未解決事件には遡及させざるを得ないと言う問題が出てしまった。法律改正で決まったならば、死亡時点で分けられたものを。弱ったことです。

2−同様の事態は、夫婦別姓での婚姻を一切認めない婚姻制度です。
−両性の合意のみで婚姻できるのが憲法の規定であるところ、未だ姓を同じくしないと婚姻届出を受け付けてくれないという制度は、憲法違反なのだ、と私は思います。
−実際、一人っ子も増えて墓の承継という困難もあるとき、自民党議員の多くもそんな必要性を分かってきているだろうに、なんとも、なんです。

3−衆議院議員の定数是正も、未だまともにできない国会、その怠慢なんです。


なお
結婚する人が減ってしまう、と言う論者もいるが、たしかに少しは関係するかも、です。
ただ、
1−若者の不安定雇用の増加という問題こそ、婚姻比率減少の最大の原因だと思います。要因前提の50%以上を占めるのではないかしら。

2−少子化対策には、「結婚しないで子どもを産んでも、後々ひょっとしたら結婚してできる子どもとの間に差別がない」ということで、むしろ対策として良いのではないか、とも思います

3−婚姻数増加、少子化対策には、夫婦別姓婚姻の容認をすることも効果があると思いますが。


再度書きますが、今回の判例変更の通りにしたくないならば、ともかく、遺言書を作成すれば良いのです。
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