2010/8/24

司法修習−給費制度の維持を  憲法・社会・官僚・人権

2004年、裁判所法の改正で、今年秋から修習に入る人につき、給費制度が廃止になると決まっていた。これ、法科大学院制度になると同時に、大量に合格させるようにするところ(2年から1年になるので、従前の500人から1000人までの増加ならば、予算はだいたい同じなのだが、毎年2−3000人ぐらいにもなると)国の予算からそこまでできない、と言うことで、決まったものです。
ほとんどの政党が賛成に回っていた。

しかし、弁護士らは多く、これは決定的にまずい、としていたものです。
ところが、当時の日弁連は、碌に反対運動もできずに(追加−当時弁護士費用敗訴者負担制度の問題もあり、弱者からの訴訟が抑制されるのでそちらを止めるのに精いっぱいだった)、無利息の貸付制とすることから、結局、成立させてしまった。

で、法科大学院それぞれに奨学金制度を作ろうが、あまりに不十分になるのは目に見えていた。医師育成でいう自治医科大学のようなものや、防衛医大に相応する法科大学院さえもない。

一方、22歳も確実に過ぎていて、いつまでもお金を出せる親もそうおらず、本来、出すべきものでもない。
だから、法科大学院で、借金をする人が多くなることは予想できたこと。
当時の小泉首相は「米百俵の精神」を言っていたが、案の定、大幅な奨学金、それも給付制の奨学金を拡充することはしなかった。まさに言葉だけ。

そのうえでの早くて25歳ほどからの司法修習で、更に「借金をせよ」でいいのかという問題です。

宇都宮日弁連会長となって、ようやく運動を開始できた
(追加−私もこのブログ検索したら、2008.10.5書き込みで『やむなし』と書いてありますね、諦めだっただなぁ。やはり、宇都宮さんが会長になったことの重さは凄いことなんです。)

その趣旨は下記です。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/kiyuuhiseiizi.html
その署名用紙は下記です。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/data/kyufu_syomei.pdf

私も、下記の理由で、実に賛成です。なんとか止めないと。
どうか署名用紙を印刷して記載して、日弁連に送ると言った方法により、ご協力お願いします。

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1−法曹資格を取るには司法修習を受けなければならなず−つまり選択の余地はない−、ましてその1年間、任地も一方的に決められ、アルバイトも禁止(時間がまず無くできようもないだろうけれど)です。

それに金銭を支払わないのは、自由の拘束だと言われても仕方がないと。

弁護士などになって返済できるだろうがっ、と言うかもしれないが、弁護士の所得、特に若手の取得は、これから先、数10年にわたり相当な割合で減っていくでしょう。それは予測されたことであり、また弁護士らは甘受することとしたものです。
それに加えて、理にも合わない、こんな拘束をしていいのか、という問題です。

かといって、司法修習などさせずに、法科大学院卒、司法試験合格で弁護士資格はOKなんていうこととなったら(明治時代みたいなもんだ)、あまりに危なっかしすぎるものであり、法的紛争がまともに処理されないことが増えるばかりとなり、社会が混乱し、人権を侵害されたままの人が増えていきましょう。

2−1年間の給費生ぐらい維持しておかないと、弁護士に「お前ら、国のお金も使って育成されたんだから、金ばかり目指さず、時には手弁当みたいな活動しろよ」と言えなくなります。

現在、医師の育成には多額の税金をかけています。給料保障こそないが、少なくとも6年間にわたる医学部の教育、多大の国費が国立のみならず、私立にも出されています。1人当たりどのくらいになるのかしら。臨床医への補助も勿論です。ちなみに、それもまだまだ少ないと思います。貧乏な親に生まれた子供は、まず医師になれないじゃないですか。
でも、これらがあるからこそ、医師に「国の金をかけているんだろうが、まともにやれ」と国民は言えるし、実際、多くの医師は粉骨砕身で働いています。

ですが、法学部関係、法科大学院関係には、そうは予算をかけていないです。これでは、法テラスでのような低額の費用での弁護・代理人活動や、その他のボランティア的な仕事(今の私はまあカルト関係程度となってまして恐縮ですが)も、しろよっなんて、言えなくなってしまいます。

すでに、数百万円の借金があったうえで弁護士などになる人が多くなっている今日、若い弁護士さんは大変な状況です。
これ以上の借金となれば、何年かして一般の仕事で食えるようになれば、ボランティア事件からは離れていきましょう。やたら経済合理性を求め、又は高額の費用請求となりましょう。

乱訴も実に増えていきましょう。すでに、東京の弁護士さんの事例などで、なんでこの事件にこんなに高く支払ったの?というのが、若手にボツボツ見られます。例えば、1000万円とかの貸金返還請求訴訟で、最も大切な「勝ったら取れる可能性があるかどうか」は無視して、高額の着手金・報酬を取っている事例にあいました(通例は、取れる可能性が低いのだから、駄目もとでする、せいぜい後の節税に役立てるとかと、よく説明した上で受け、着手金とあと少しだけをもらうような事例です)。弁護士との勝てばいいと言う契約をしていれば違反ではなく、容易に懲戒に持って来れないのですが、「紙っペラの判決」を取るだけで良いなんて、どう見ても妥当ではないですょ。

3−「医師育成以上に、親がお金持ちの子どもでなければ、検察官・裁判官・弁護士になれない」という制度でいいのか、です。

すでに、法科大学院での数百万円に加えて、司法修習の1年間、何らの収入なくどうやって修習を受け、生活していけと言うのか。公的な借金をさせて、それで足りるのか、です。

大学・法科大学院・司法修習での、最低7年間の学費負担・生活費負担を考えると、要するに、これから先、親が医師以上のお金持ちでなければ、弁護士などになれない、ということに確実になっていきます。

そんな弁護士ばかりなっていいのか、です。もちろんお金持ちの子どもらでも、いい弁護士になる方もいるでしょう。ですが、傾向としてはやはり自分自身で苦労して弁護士になった人が相応いてこそ、労働事件やら貧困問題などで、よい解決が図られると思うんです。

これまでの60年間ほど、公害裁判や消費者訴訟を初めとした弱者の為の訴訟をしてきて少なくない判例をとり、法改正に尽力してきた弁護士は、多くそんな苦労人の弁護士でした。会長の宇都宮さんに象徴されますが、尊敬できる方々が実に多くいます。

一人年間300万円だとして、2000人1年間修習で、年間60億円の予算が必要です。3000人になったときは90億円です。(ちなみに、うち毎年200人前後?が裁判官・検察官になりますがこの人数も少なすぎます)司法予算は、もともと低く抑えられてきており、それも比率は下がってきてしまっていました。
http://www.aiben.jp/page/library/chukei/c1408yosan.html
司法制度改革により、行政の力ではなく、司法の力によって救済しようとする大方針とした今日なのに、このような状況は異常に過ぎます。

あまり比較したくはないですが、、防衛省予算に計上されている在日米軍駐留経費負担は、2000億円前後です。戦闘機F-15イーグルの調達費は、1機120億円です。

毎年60億円で、弁護士らに「もっと社会に奉仕しろ!」という批判を続けられるすれば、それが良いように思うんです。

追伸
なんか、最高裁は保証会社を設定し、それがオリエントコーポレーションなんですね、なんとも。多くの弁護士は相手方にしたりしていましょう。そこに保証をしてもらっている弁護士が、いったいどうやってオリエントコーポレーションとまともに戦えるんでしょうかしら。滅茶苦茶じゃないか。
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