2010/1/6

弁護士の仕事外について。  日常のこと

うーん、私の事務所は、昔風に冬休みは1月7日にまでとなっている。年末も早く、また夏のお盆休みもしっかりとったりしている。裁判所も、7月10日から30日までと、8月1日から20日までだっかたか、半々ずつ法廷は休みになっている。

こう書くと、なんと楽な仕事なのだ、と思われてしまうが、弁護士も裁判官も、記録を家に持ち帰ったり、事務所には実は出ていて、大きな事件や論文の起案などをしている。また現地折衝とがある。私も、この年末年始も30日は現地3か所で相続や、借地明渡の折衝、2日からも別件の明け渡しの折衝だったりしたもの。

もともと弁護士自体が多く労働時間の概念はなく、いわゆるイソ弁も時間外手当や休日など一切ないが当たり前。単純に「休みの日や夜何時以降は、電話に出ない」というだけのことだった。(だから、緊急の場合の裏電話番号を弁護士間では知っていたりする)。若いころは、一週間に一度は徹夜で仕事をしていたなあ。

勿論、弁護士の最大のメリット−自由業−自分で時間と休み設定ができるというメリットはある(それも許されない渉外事務所や厳しい事務所のイソ弁は実にかわいそうです)。

だがなぁ、世の中、セブンイレブン、年中無休が増えてきた今日、法律事務所もそもいかなくなってきたのかなとも思う。
実際、対外的に、わざわざ土日もやってますとか、夜遅くまで応じます、とか公表している事務所も増えてきた。昼休みに電話に出ない事務所も減ってきたように感じる。

労働時間の概念がないままにこうなってくると、実に辛いなぁ、と思う。

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それにしても、法律事務所のコマーシャル、やたら増えましたね。驚いてしまう。
大きな要因は、弁護士数が増えたこと、そして「過払い請求」が容易になったことだろう。

後者は、サラ金利用者が利息制限法違反の利息を支払ってきて何年も経つと、逆に返還請求できることがある。これは、法律には昔から書いてあったが、金融業者とそれこそ善意で戦ってきた弁護士とが作ってきた判例の中で取引履歴の開示などを要求し、やがて何年前だったか法律が改正されて、容易に過払い分の返還が実現できるようになってきたからです。

実現するまでの道筋は数十年にわたる先進的な弁護士の労苦によるのだが、いざそれが知られると、それまでサラ金事件などしていなかった弁護士が、多数の事務員を雇って始めた。弁護士は依頼者と一度顔を合わせる程度だったりして。

それ自体はまもにやっていれば救済される市民が増えるから良いことだが、やたらコマーシャルをしている事務所弁護士は、井戸を掘った数十人の弁護士に感謝しなさいよ、と言いたくもなる。

そして、過払いのだけ受けて、その依頼者の他の債務は扱わなかったり、生活状況全般を考えて立ち直りを支援しようしていない、と思うこともある。日弁連からはそれはいけないという通知が出ているのだが、依頼と引き受けは自由なのだから、明確に過払い分だけを受ける形にしていれば、弁護士に懲戒処分までできるような法的拘束力はないのだろう。

メリットとデメリットだなあ。
それにしてもやたらコマーシャルをしている事務所って、金融業者の利息利率が利息制限法内となってきた今日、あと数年後にはどうなっているのだろうか、不祥事が増えるのではないか、と心配。
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まあ、次は交通事故対応だろうか。自賠責保険がまともにできるまで弁護士の仕事として多くを占めていたと聞く。それが保険ができて任意保険も普及すると、大いに減った。だがなぁ、以前から思っているのだが、保険会社は明らかにヤクザ相手の場合や、弁護士が出てきた場合は、別枠があるようで数割は上がるのが当たり前です。これ実に正直に言う保険会社もあったりして、驚きます。

それが実に知られていない。だから、これから先、そんなことをやたら宣伝する弁護士が増えてくるのだろう、と思う。それはそれで良いことですね。そうなっていけば、保険会社として弁護士が入る前から、更にまともな提案をするようになってくるだろうし。

それは弁護士が増えることもメリットでもある。
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そんな、過払請求や保険対応の面で、弁護士数がやたら増えてきたとのメリットもあることを、増員反対の考えの人たちも、認めないといけないと思う。

まあ、急激に過ぎるとは思います、私も。即時に独立する弁護士や、イソ弁さんも見つからない弁護士が増えてきている今日、そのデメリット−レベルの低下、金銭扱トラブルの増加−の方が大きくなのではないか、と心配です。

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ああ、メールも、ファックスもなかった23年前くらいは、遅くとも準備書面をファックスで送ることができなかった15年?くらい前までは、書面が遅れた時は、郵便局のせいにしていたことも少しはあったが、それもできない。

ではスピーディーで更に内容ある裁判応酬になったのかと思うと、そうとも感じない。昔は、和文タイプでの文章だから、よほどのことがなければ大量に書けないし、間違いの訂正は容易ではないからより慎重であり、書面は簡潔なのが多かったように思う。

それが今日、ワープロ更にパソコンとなって、判例を内容まで長々と転載したり、一度書いてある文章をまた変形して使っていたりする準備書面を見もする。つまり文章が長く、記録が厚くなってきただけで、むしろ焦点が呆けている感じだったりする。

メールでの意見交換も、多くの弁護士が一つの書面作成に実質関与できたり、情報が密にできるようになったが、それ故に船頭多くして船山に登るではないかなぁ、と思うこともあるし、時期に遅れてしまうこともあるように思う。

何事もメリットとデメリットがあるのだろう。

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草々−事務所としてはまだ休みだが、自分は出ていて、電話に出始めてしまった滝本より。
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