2007/10/20

司法試験合格者数について。  憲法・社会・官僚・人権

今、改めて話題になっていることです。
私は、殆ど書かなかったのだが、今日、書く。

以前、司法試験の合格者数は500人以下でした。
それが次第に増え、ロースクール制度もできて、今度は3000人程度までになる。

私は、結論から言えば、
1−現今のロースクール制度は実は反対、でももう止められない。
2−合格者数3000人程度には、司法研修をまともにすることにて賛成。

1−のロースクールは酷いものです。年間百数十万円にもなる学費、3年間の生活費を考えれば、大学を卒業後、入学して更に2年または3年なんてできる人は、どうしたってお金持ちの子どもばかりになる。

これでは医師の養成と同じ。医師の方は、そう金銭に余裕のない家庭の子どもらも国公立に入れれば、まだなんとかなるのに、司法試験の場合、最低大学4年+2年ロースクール、それもまず確実に受かる試験でもない。受かっても無給での修習生1年余り。ひどいものだ。

で、これを解決するには、少なくともロースクール生のうち500人程度にはしっかりした返済不要の「奨学金」を出すことだと思う。優秀者には生活をもね。
これは、ロースクールを作るときから別枠で求められていたことだが実現されなかった。当時、小泉首相は「米百俵の精神」なんていっていたが、奨学金制度は酷くなるばかりでした。ひどいものだ、まったく。

なお、一部からは、現今で合格率7−80%にならないことが、受験生への騙しだといわれるが、違う。そんなことはロースクールの総定員がやたら多かった段階から分かっていたことです。来年以降10年間程度で、ロースクールの相当数が次々と潰れていこう。そして合格率7−80%に近づいていくだろう。それももともと予定していたものです。
これは厳しい言い方と思うが、その程度の計算はして欲しいと思います。だいたい3000人は受かっていくのだから、以前よりははるかに楽なはず。

2−毎年3000人の多くは、弁護士になる。確かに
・弁護士の平均所得は着実に減っていくだろうし、
・これで裁判までするのかしらという事件も出てこようし、
・若手の中で不祥事も出てこよう。
・「弁護士」というだけでまあ行政にも、警察にも、ヤクザにも色々通用した時代も終わろうから、確かに厄介。

だが、それでも法律で解決できる紛争が多くなり、私は良いと思う。
弁護士数が着実に増えてきたからこそ、
・被害額が小さい消費者事件、小額事件や、自己破産事件などにも弁護士が多く関与するようになってきた。
・地方での、ブローカーとか顔役が、適当にまとめられていた紛争も法の趣旨に則った解決ができてくる。
・公害事件や、税務訴訟、行政訴訟も増えてこよう。事前規制が弱くなってきている今日、これら訴訟をやっていく、やっていかざるを得ない弁護士が増えていくのは良いことだと思う。

それを忘れてはならないと思う。

3000人といえば、500人時代の6倍、500人時代はまあ2万人近い弁護士数だったから(現在は2万2000人ほど)、最終的に、10万人少しくらいになろう。1000人強に一人の弁護士、よろしいと思う。

末尾に、不動産取引業者数と税理士数を紹介します。
現在やっている取引主任者数の半数近い程度、かつ税理士の数よりも多くなるから、だいぶ多い感じがするかもしれないが、この程度は必要ですし、その程度まで覚悟すべきだと思っています。

と、旧い立場の弁護士だが、考えています。

3−で、課題はそのレベルの維持
たしかに、3000人といえば、昔の短答式試験の合格者数なんだから(私の頃は2200人くらいだったか)、私で言えば自分でも実力はまだまだと感じていた大学4年生で最終合格してしまっていたようなものです。
司法研修所での卒業試験(通称「2回試験」「2階試験」で)厳しく合否の選択に晒されるのも仕方がないところだと思うべき。

4−ちなみに、「法学部」の教員も、大きく変わっていく。
そもそも、私は大学で法学部に入ったとき、教授が弁護士資格を持っていないことに驚いた。知らなかった。
医師の資格を持っていない人は、医学部の教授にはまずならない。当たり前のことだと思うが、法学部では実現されていなかった。
それが必然的に変わっていくことは良いことだと思う。実務もできない人に教授されるのが、おかしかったのだ。

5−さらに、他業種も変わらざるを得ない。
行政書士・司法書士・税理士には、弁護士であれば当然なれるから、次々とこれら単独資格だけではやっていけなくなるだろう、つまり弁護士資格を当然の前提として、登記関係、税務関係をする弁護士もいる、という形。

そう、それが弁護士がやたら多くなったときの姿です。アメリカ的ですが、それが既に選択された姿です。それらの上でこそ、税務訴訟、行政訴訟も多くなり、行政追随ばかりの税務実務なども変わっていくことになる。

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http://www.retio.or.jp/content/zigiyo/index.html
宅建業者数
平成19年3月31日現在の宅地建物取引業者 は、約13万5百業者(平成18年3月31日現在約13万1千業者。以下同様。)です。そのうち、法人は約10万5千9百業者(約10万5千2百業者)、個人は約2万4千5百業者(約2万5千7百業者)です。
免許回次別宅建業者数
(回次とは、免許を継続して受けた回数のことです。) 免許の回次が1回から4回までの業者が、約7万5百業者で全体の50%以上を占めています。
取引主任者数
平成19年3月31日現在の宅地建物取引主任者資格登録者数は、約79万3千7百人(約76万8千1百人)です。このうち、平成19年3月31日現在宅建業に従事している取引主任者の数は、約26万8千2百人(約25万8千4百人)です。
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税理士数
http://www.nichizeiren.or.jp/association/touroku.html
本年9月末現在、7万0768人。
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