2006/11/29

備忘録−黄泉の犬  定義・知識人の責任

>黄泉の犬
>藤原新也著
>文藝春秋社
>1857円と税金
>2006.10.30

これ、有田さんのプログの先月あたりにあった。

うん、84ページ以降は基本的にいいんですよ。インドでの実にさまざまなこと、実に興味深く、感動的。宗教好きの人で「魂の遍歴」をしてきた人なんだな、と。
で、だからこそ、その自分の土俵の上でもまあいいから、確実な情報のみに基づいて、オウムを論じて欲しいと思ったです。

有田さんが本の論評として記述していたように、この本では、麻原さんが水俣病であった可能性のことが書かれている。

実に全くもって。

麻原さんについては、中沢新一あたりが、また公安調査庁の末端あたりが適当に言っていたようなのだが、
・親は在日朝鮮人である
・被差別部落出身である
などとの話が流れ、
今度は、水俣病であるようなことを、この藤原新也著では書いてある。

まったくもって。
前二者については、昨日付けで紹介してある、「麻原彰晃の誕生」に詳しく書いてあったと思う。勿論、その事実を否定する形で。
麻原さんは、父親が1910年から日本の植民地だった朝鮮半島で、生まれただけ。戦後引き上げている。父母も、勿論麻原さんも、被差別部落出身などではない。
いい加減にして欲しいと思うものです。

(麻原さんは、被差別部落出身の信徒に対して、俺もそうなんだと言って出家するよう勧誘していた。法廷でも出ていたです。麻原本人はそんな形の嘘までついていた。ひどいものだ。)

(ついでに、麻原さんの生まれた所は「金剛村」−ヴァジラヤーナ−ということ、自宅近くに金剛小学校があることに留意されたい。麻原さんの意識にはあっただろうなぁと。
ちなみに隣が坂本村なんです。麻原さんの頭の中で、なにか昔の恨みがあって「坂本」事件の動機のひとつかなぁなどとも思う。坂本の誕生日はお釈迦様と同じ4月8日だったし)

で、今度は水俣病ですか、ふー。
藤原さん、よくもまあ、あの程度の材料で書いてしまうものだ、不思議。

麻原さんの一番上のお兄さんから、接待したうえで「水俣病だ、シャコを多く食べた、申請したが認められなかった、アカと言われるから裁判はしなかった」と聞き出したとのこと。ふー。

なんで弟さんとか他の兄弟には当たらないのかな。兄弟は多くいて、1995年当時、なんと麻原さんが事件で著名になったのをきっかけにか、既にデビューしていたところ、歌手として改めて出てきたお姉さんまでいた。

で、1995年当時、メディアにもしばしば出ていた一番上のお兄さん。(12.27追加します-この点は間違いかもしれない、よく出ていたのは次男だったかしら、おって調べます)。
「教祖になってくれ」と麻原さんから言われた、などとも言っている。
他の麻原さんといつも行動していた旧い信者さんも誰も言っておらず、カルトの特性からしてもあり得ないのに、そう言われたと本人のみが言っているお兄さん。

その話を元に、よくもまあここまで書けるなぁ、と。

あのー、八代市が水俣のすぐ隣なんて、藤原さんは気づかなかったようだが、有明海周辺なんだから直ちに関連性が頭にでてくるのですよ。地理を勉強してないなぁ。

で、八代市住民にも中には認定されている患者さんもいよう。そりゃ患者さんも転居するのですから。不思議などあるはずもない。(追加−また、中には、水俣湾の魚を多く食べている人がいても不思議ではない。)
それを驚いたように、調べをくり返して分かったように、なんともしょもない書き方をしている。

で、
麻原さんは、生まれつき片目が見えないのです。
もう一方も進行性で見えなくなってきていたのです。
ですから、出産後、水俣病になり佐野症状として目が見えなくなったということはまずない。シャコをやたら食べていたとしても、です。

残るのは、胎児性水俣病かどうかですが、
やはり麻原さんにはその他の水俣病に特徴的な症状は一切ない。
シビレ云々なども、あったと言っているのはこのお兄さんだけ。
そもそも麻原さんの目は、神経性の視覚障害ではなかった筈ですがね。

ということで、
そりゃ100%の否定はできないが、「水俣病の可能性」とはやはり言うほどのことはないと判断された。だから、調べた方々も、結局、なんら書かなかった、だけのこと。それがまともなジャーナリスト。(長兄の言うとおりの認定申請を真実したかどうかは分からない。だが、麻原さんのところが申請しても、その他のことから類推しても、不思議はないでしょう。)

著者自身は、重要なことを書いたのに反応がないのはおかしいというように言っておられるようですが、そんな事実関係だから、反応がないのは当たり前でしょう。

軽率極まりない。
ああ、この方もオウムや麻原さんのことを「プレーボーイ」に書いていたのですね。
空中浮揚写真、この人の文章、今は森達也さんの文章、実にしょもな。

「魂の遍歴」みたいな所は、実に良いんですが、この本。
実に残念。
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