2006/9/15

最高裁判所−決定文  カルト・宗教・犯罪

以下、アップします。
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平成18年(し)第202号
決 定
申 立 人 松 本 智 津 夫

上記の者に対する殺人、殺人未遂、死体損壊、逮捕監禁致死、武器等製造法違反、殺人予備被告事件について、控訴棄却決定に関し、平成18年5月29日東京高等裁判所がした異議申立て棄却決定に対し、特別抗告の申立があったので、当裁判所は、次のとおり決定する。

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

本件抗告の趣旨のうち、判例違反をいう点は、事案を異にする判例を引用するものであって、本件に適切でないか、実質において単なる法令違反の主張であり、その余は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法433条の抗告理由に当たらない。
なお、本件記録を含む関係記録(以下「本件記録」という。)を精査してみても、刑訴法411条を準用すべき事由は見当たらない。

所論にかんがみ職権で判断する。
まず、所論は、申立人の訴訟能力を肯定した原々審及び原審の判断を論難する。しかし原々審が選任した鑑定人及び検察官が依頼した医師は、いずれも申立人を直接触診した際に申立人が意図的とみられる反応等を示したことを確認した上、その鑑定書および意見書において、医学的見地から、申立人の訴訟能力を肯定しているものであって、その記載内容自体及び本件記録から認められる諸事実、すなわち申立人の本案事件第1審公判当時の発言内容、判決宣告当日の拘置所に戻ってからの言動、その後の拘置所での動静、原々審の裁判官が直接申立人に面会した際の申立人の様子、申立人に対する頭部CT検査、MRI検査及び脳波検査において異常が見られないことなどの諸事実に徴すれば、上記鑑定書および意見書の信用性はこれを肯認するに十分であり、これとその余の諸事実を綜合して申立人の訴訟能力を肯定した原々決定を是認した原審の判断は、正当として是認することができる。

次に所論は、控訴趣意書の提出が平成18年3月28日になったことについては、刑訴規則238条にいう「やむを得ない事情」があると主張する。しかし、控訴趣意書の提出期限は平成17年8月31日であり、同期限が延長された事実はないばかりか、同日の裁判所と弁護人との打合わせの席上、弁護人は、控訴趣意書は作成したと明言しながら、原々審の再三にわたる同趣意書の提出勧告に対し、裁判所が行おうとしている精神鑑定の方法に問題があるなどとして同趣意書を提出しなかったものであり、同趣意書の提出の遅延について、同条にいう「やむを得ない事情」があるとは到底認められない。弁護人が申立人と意思疎通ができなかったことは、本件においては、同趣意書の提出を遅延する正当化する理由とはなり得ない。

さらに、所論は、弁護人の行為を結果として申立人の裁判を受ける権利を奪うこととなるのは不当である旨主張する。しかし、私選弁護人の行為による効果が、被告人の不利益になる場合であっても被告人及ぶことは法規の定めるところであり、本件において弁護人が控訴趣意書を期限までに提出しなかった効果は、当然に申立人にも及ぶものである。また。これを実質的にみても、申立人は、自ら弁護人と意思疎通を図ろうとせず、それがこのような事態に至った大きな原因になったといえるのであり、その責任は弁護人のみならず申立人にもあるというべきである。

その他、本件記録を精査しても、原々決定を維持した原判断を揺るがし得るような事情を見いだすことはできない。

よって、刑訴法434条、426条1項により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

平成18年9月15日
最 高 裁 判 所 第 三 小 法 廷
裁判長 裁判官 掘 籠 幸 男
裁判官 上 田 豊 三
裁判官 藤 田 宙 靖
裁判官 那 須 弘 平
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2006/9/15

滝本コメント  カルト・宗教・犯罪

2006.9.15                  滝 本 太 郎

(弁護士。オウム真理教被害対策弁護団所属。
滝本サリン事件被害者。)

長かった。あらゆる裁判は人間の寿命からして10年程度で確定しなければならないと言ってきたが、起訴後11年、かろうじて許容できる。

 松本被告への死刑判決は当然である。被告は友人坂本堤を殺した。私を殺そうとした。被告には、極悪非道の犯罪を重ねた、わけても化学兵器まで使って無差別大量殺人までした絶対的な首謀者としての責任がある。被告の責任は、被告の心理操作によって罪を犯した他の被告人とは格段の違いがある。

 松本被告の死刑執行は、法の定めるとおり6ヶ月と5日以内に執行して欲しい。後追い自殺はあるとしてももはや数人であろうし、現段階となってはまさに自己責任である。そして、法は立会いを可能としているから、私にも立ち合わせていただきたい。私にはその権利と義務があると思っている。

 ここで大切なことは、元弟子の12人は決して死刑にしてはならないということである。松本被告の末恐ろしいまでの絶対性、マインド・コントロールの機序、LSDなど薬物の影響を真に知るならば、弟子ら12人を死刑にできよう筈がない。12人を死刑にすれば、松本被告こそが喜ぶのである。

 オウム教団は、完全に解散すべきである。現在大きく2つに分かれようとしており、当面、原理派の中から跳ね上がりがないか、内ゲバが発生しないかなど心配している。しかしどちらもオウム教団であり、「嘘をつくのがワーク」の上祐の言葉を信頼することなどできようもない。自らたんそ菌を撒き、横浜弁護士会にボツリヌス菌を撒こうと向かっていた上祐、また麻原からホーリーネイムを授与された上祐が、オウム教団と言う部分社会での権威を利用して作る団体は、それ自体がオウムである。

 国は、テロ犯罪被害補償特別法を作り、オウム事件の被害者に対して十分な補償をし、これをオウム教団から取り立てるべきである。今回確定した地裁判決には、一連のオウム事件が日本国に対してされたものであることが明記されている。被害者は国家指導者の代わりに殺されたのである。ましてあの1995年3月22日までの警察の対応はなっていなかったのだから。

米国や英国では、同時多発テロ事件に対して、被害者に対してあつい補償をしている。日本が真実テロと戦おうというならば、直ちに特別法を作るべきである。

 社会への恨み、破壊願望を本質とする麻原の思想は、様々な方策をとって、永遠に戦うべき対象である。

以 上
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2006/9/15

被害対策弁護団の声明  カルト・宗教・犯罪

---------------- 声   明 -----------------

 オウム真理教の教祖・麻原彰晃こと松本智津夫被告に対する死刑判決が、最高裁判所の決定により確定した。

 松本被告は、我が弁護団の創始者である坂本堤弁護士、妻都子さん、長男龍彦ちゃんに対する殺害事件をはじめとして地下鉄サリン事件・松本サリン事件などオウム真理教の引き起こした未曾有の数々の事件について、オウム真理教という団体の教祖として指示を行った。そして、オウム真理教の信者達は、全て教祖である松本被告にマインドコントロールされ、その指示一つで動く状態であったことからすれば、他の信者達の責任に比して松本智津夫の責任の大きいことは明白であり、松本被告に対しては最も厳しい刑罰が下されて当然のことである。
ただ、今回の判決の確定は、控訴審以降において実質的な審理を行うことなく終了してしまった。そのために、松本被告本人から事件を起こした動機などを聞く機会が失われてしまったことは残念でならない。

 松本被告の死刑が確定したからといって、オウム事件の被害者・遺族の悲しみや苦しみ、何も変わるものではない。被害者たちは、被害を受けて以来10年以上が経過しているのに、現在も被害に苦しんでいる者も少なくなく、十分な補償を受けられていないのである。いうまでもなく、松本被告の刑事裁判の終結で、オウム真理教問題は何ら終了したわけではない。今こそ、取り残されている被害者に対して、十分な対策を講じてもらいたい。

更に、現在もオウム真理教が「アーレフ」と名前を変えただけで、従前と変わらぬ活動を続けていることをみるにつけ、このままでは被害者は全く浮かばれない。改めて、アーレフに対しては、教祖松本智津夫の刑事責任が確定したという重みを、オウム真理教=アーレフは真摯に受けとめ、被害者に対する全面的救済という責任を果たさなくてはならない。そして、その一環として、一刻も早く自ら完全に解散すべきである。

また、国や社会においては、オウム問題が何ら解決していないことを充分に認識し、被害者に対する手厚い補償と、オウム真理教問題の反省と総括等を行うことによって、今後二度とこのような事件が起こらないような社会を作る諸政策を行うことを強く求めるものである。

2006年9月15日
オ ウ ム 真 理 教 被 害 対 策 弁 護 団
 事 務 局 長  小  野    毅
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