2008/8/26

小和田の終わり・・  飯田線の旅

 小和田駅がだいぶ荒廃しているとの情報が入ってきてますが、今日の新聞に小和田の記事が出ていましたので、紹介します。

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 朝日新聞8月26日(火曜日)朝刊24面(生活面)
「わが家のミカタ・夏スペシャル」の記事から

(大見出し)終わりゆく二人の里
(中見出し)車近づけず、対岸からワイヤで生活物資運ぶ「超限界集落」
(小見出し)ウチの最寄りは「秘境駅」

 それは平成の秘境か、21世紀の隠れ里か。川と深い山に阻まれ、車で行くのはムリ。交通手段は、日に数本の電車だけ。生活物資は、対岸からワイヤでつり下げ、ゆらゆら届く−−−。そんな山奥に1件だけ残る家が、浜松市天竜区水窪町にあるんです。 夏スペシャル第2弾は、これが秘境で過ごすラストサマーになるかも知れない、80代の夫婦のお話です。
 あなたは覚えているだろうか。天竜川沿いに走るJR飯田線の小和田(こわだ)駅を。それは、1993(平成5)年の皇太子(殿下・・皇族の敬称を略すのは不敬)ご成婚ブーム。新幹線の豊橋駅から、普通電車で2時間半。前後をトンネルに挟まれたこの無人駅に、観光客がどっと押し寄せたのだ。理由は言うまでもありますまい。単に「小和田(おわだ)さん」と字が同じなだけ。
 でも、切符は17万枚以上売れ、記念の臨時列車は超満員。公募したカップルの駅前(正確には駅の下)結婚式まで開かれた。
 この小和田駅の周辺に唯一暮らす家族が、宮下茂正さん(81)と妻の繁江さん(82)だ。駅前結婚式では地元を代表して臨時駅長にも任命された。
「あの時はすごかった。ホームには人がいっぱいでね」
 でもそれは、ここが限界を超えた限界集落であることを、一時忘れさせてくれたお祭り騒ぎ。世間は熱しやすく、冷めやすい。
 今や駅前は草ぼうぼう。近くには、30年ほど前まで店や製茶工場だった廃屋が朽ちる時を待つ。だから、2人のために、駅はあるの。病院通いに買い物に、2駅先の街へ出る手段は、1日8本の電車だけ。腕時計を欠かさず、斜面に立つ(建つが正しくはないか?)自宅から細い道を15分歩いて駅へ出る。元々は天竜川上流の長野県側にすんでいた。だが、佐久間ダムの建設で水没が決まり、55(昭和30)年に家をここに移築した。当時は60世帯以上ある集落だった。茂正さんは、山でスギやヒノキを伐採。何隻ものイカダにして下流に届けた。住宅の大量建設で、林業は大忙し。下流から飯田線で戻ってきては、すぐまた山へ入った。だが当時、茂正さんが植えた木は切らずじまい。外材の輸入増などで林業は衰退。70年には22世帯に。若者は仕事を求めて街へ出ていき、続いて年老いた親たちも子供の元へ。一時は茂正さんの母、姉、弟と8人で暮らした宮下さんも、子ども3人は東京や浜松の街へ。
「でもね」と繁江さん。
「私はこの静かな山ん中がホッとする。不便なんて思ったことはないね」
ケータイは圏外。ネットは何だか、よーわからん。新聞は電車で来る郵便屋さんが家へ届けてくれるし、テレビも衛星放送で映る。炊事洗濯、畑仕事に風呂の薪割りと何でも自分でやるから毎日充実、住めば都。プロパンガスのボンベや米など重い物は、飯田線の貨車で運ばれてきた。ところが無情にも貨車は廃止に。これで危険物のガスは運べなくなったとか。仕方がないので、茂正さんは92年に天竜川(幅約90メートル)の対岸へワイヤを張った。「木を運ぶのに、昔はよく張ったもんです」月一度、雑貨屋に電話で頼むと、対岸で品物をワイヤのカゴに乗せてくれる。それが今の生活の命綱。だけど、ワイヤの足場は風雨で痛んでギシギシ、ミシミシ。川辺に置いた自家用の小舟も壊れたままだ。しかも今年、茂正さんは軽い脳梗塞を患った。ここで暮らすのはもう難しい。
 でも、心残りはなのは、今も時たま訪ねてくる観光客を迎えられなくなること。
「出会って話をするの、楽しいんだけどねえ」
その時、カタカタと山々にこだまする音が。おわっ。帰りの電車が行ってしまった。次は何と2時間後。すみませんもうちょっとお話、聞かせてもらっていいですか。

(欄外のコラム)自宅は、昭和初期に旅館だった茂正さんの実家をダム水没前に解体、ここに運んで建てたもの。
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 黄色文字の部分は僕の加えた注釈。
小和田駅廃駅の噂が現実味を帯びてきた昨今、唯一の利用者である宮下さんが住まなくなったら・・・廃止されちゃうでしょうねぇ。この夏が見納めか?次の春のダイヤ改正で無くなったりして。
 今回の田切駅大掃除の旅では、久しぶりに小和田に降りる予定ですが、滞在時間を短く設定した。何しろ、うまく行程を組まないと2時間半〜3時間置いてけぼりになってしまう。でも、見納めになるならそれでも良いかな。
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