2008/2/23  23:30

宮崎県立芸術劇場の大オルガンの思い出 1  オルガン

ちょっと思い出話を。

1992〜1993年の事でした。

宮崎県立芸術劇場のオルガンの製作に関る機会がありました。

当時の事を思い出すと、今でも胸が一杯になります。

この巨大なオルガンの製作に関れた事は、なかなか得られない幸運だったのかもしれません。


正直なところ、あまりに巨大過ぎて、圧倒されっぱなしでした。

当時、自分は力が無くて、大きな風箱を抱えたり、ひっくり返したりするだけでもヒーヒー言っていたのを思い出します。

オルガン曲を聴いたりするのは好きでしたが、構造や仕組みについてはあまり分かっていませんでした。
そのため、日々勉強でした。

工房で部品が出来上がり、いよいよ宮崎へ搬出となった日の夜は眠れなかった。

自分は第2陣で現場に向かいました。
すでに現場では組み立て作業が始まっていて、自分はとても緊張しました。

ここでも自分は現場の喧騒に圧倒されっぱなしでした。

ケースの組み立てが半ばまで進んだ時の写真です。
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楽器と言うよりは、巨大な建築物を思わせます。
ローリングタワーを使って、舞台で組んだ部材をウィンチで引き上げて、オルガンのケースに接着していきました。

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半月か1ヶ月後くらいだったでしょうか?
ケースがほぼ組上がりました。
カラーと白黒フィルムを使っていたのでこういう写真もあります。
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おそるおそる天井に上がり、ガッチリ組まれたケースから、ホールを見渡すことができました。
かなりの高さがあったし、手すりなどないので、吸い込まれるような感じがして恐かった。

さらに数ヶ月が経ち、パイプが収められました。
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木製の足場があります。
正面のパイプの整音に使用されました。
楔、ピン、スノコ、柱から梁に至るまで全て木でできています。
簡単に分解ができるすぐれ物でした。
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朝、来ると必ず巨大なケースを見上げていたものです。

4000本以上にも及ぶパイプがこの中に入っています。
一本くらい抜き取っても分からないのでは?と思うでしょうが、そうは行きません。
どれを取っても大事な部品であり、パイプです。

大きな作業が終わると、後はひたすら整音という調整作業です。
自分は鍵盤押しをしました。

早朝まだ星が瞬いている頃にホールに入り、辺りが静かな時にこの作業は進められました。
何しろ音の質を決める大事な作業ですから、周りに雑音があると、聴き取りにくくなるからです。

この時も随分緊張して演奏台に座っていました。
音量の変化などを聴き分けながら、どうなったかを伝えなくてはなりません。
毎日緊張しっぱなしでした。

こういった積み重ねで、徐々に楽器らしくなっていくのを見ていました。
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