M・ケイディンの「空の上の超常現象」という本にこんな話がある。
アメリカ中西部の空を、パイパー・チェロキーに乗って飛行していた青年が、旧式のニューポール28に出会う。
そのような飛行機をレストアして飛ばす人がいると聞いていたが、そのニューポールが青年のチェロキーに向かってくる。
なんとか交わそうとしたものの、翼端をお互いにぶつけてしまう。
しばらく経って、ある飛行クラブのメンバーが、古い戦闘機が農家で保管されている話を聞く。
彼がそこに行ってみると、ボロボロになったニューポール28が確かにあった。
不思議な事にその翼端には、赤と白の鮮やかなペイントがこびりついていた。
彼はチェロキーを飛ばしていた青年を知っていた。バカにしていた口であった。
気になってコクピットをみると、そこには飛行日誌が残されており、こんな事が書かれていた。「見たこともない赤と白に塗装された飛行機と空中接触する所だった」
ニューポールに残されていたペイントと、青年のチェロキーのペイントをさる研究所に送った所、二つのサンプルは一致したという。
私がこれを読んで驚いたのは、随分昔に聞いた話にそっくりだったからである。
そちらのバージョンでは、青年が乗っていたのはセスナ182、接触した相手はレアード機となっていた。
都市伝説というのは、同じような話が、少しずつバージョンを変えて伝わる。
おそらく似た話は他にもあるだろう。

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