中尾豊氏が亡くなられたとの事。中尾氏の事をリアルタイムで知っているはずもなく、自分にとってはまずTMS401号の読者のお祝い記事の中で「ユーレイ」「ムキ教」なる言葉を知ったのだが、その「ムキ教」の意味が「鉄道模型作品20題」に載っていると知って入手。つまり「ワム」や「トム」の車体に台車をはかせて「ワキ」や「トキ」(のショーティー)にしようという訳である。こうすると急カーブの通過に強い。Nゲージにも応用できるし、ナローなら実物がありそうである。いや、花蓮でワキみたいなのにあまり積めないのを見た記憶がある。
その宗派(?)の教祖が中尾豊氏というのである。
この「鉄道模型作品20題」の「貨物列車」の項、なかなか面白く、「ト」にデッキをつけて伸ばすアイディアもある。国鉄のガラス運搬車みたいで愉快だ。ポールの付いた凸型(機械室付き箱形か)電機もちょっと欲しい。実は前にこれをHOナロー寸法に直して書いたが、無くしてしまった。今またやり直そうかと思う。
もうひとつ、客貨車(常備駅が決まっている場合かな)には篆書体(この字だったかな)の「大」とか「名」とかが大きく書いてあったりした事があるが、中尾氏は「中」をデザイン化した文字を書いていた。これもやりたいんだよな。
今の「実物そのもののリアリティ」ではない「もっともらしいウソ」。これもリアリズムの一つの方向ではないか。創作しているみたいで楽しいではないか。と思うのだ。
中尾氏は亡くなられても、ムキ教にはまだまだ可能性がありそうだ。

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