さて鉄道コレクションの新展開、「猫屋線」はどのようなものなのか。その第一弾の試作品として走り回っていた気動車と客車を見てみよう。
昭和のはじめ、日本車両で作られて全国で活躍したガソリンカーをモデルにしており、前面窓は二枚と三枚。気動車と客車で車体の違いはない。
塗装次第で仙北鉄道、尾小屋鉄道、静岡鉄道駿遠線など(細かい事を言わなければ)バリエーションは多く作れそうだ。荷物台とパンタグラフを乗せれば下津井電鉄にいたタイプにも似てくる。
バリエーションという事ならこのタイプ、電車にする以外にも、簡単な所ではヒサシの取り付けから、荷物台も密閉式から鮮魚台まで、代燃装置の設置、片ボギー化、果てはぶったぎってマックのボンネット取り付け(玉軌道!)まで色々なバージョンに加工できる。
台車の取り付け位置を実際の車両よりも少し車端寄りにして、連結間隔はやや長くなるようにしてある。連結はアーノルトカプラーだが、おそらく製品でも変わらないだろう。
試作品の台車は鉄コレの気動車用であるが、本製品では新調されるとのこと。カプラーの柄の長さは延ばされるかもしれない。
このモデルは鉄コレの17m動力を使用しているとの事である。全長115ミリ程度で、実物換算だと9m程度だろうか。
実際「軽便は小さい」とは言っても、三重鉄道のサ150や静鉄の自社製客車など全長が10m程「も」あり、1/80で模型化すると120ミリ程。カプラーがマウントされたNゲージ用台車を実物に準じた位置に配置した場合、R140では車体がぶつかって走れないと、小林信夫氏が書いていた程である。(TMS1991年2月号「駿遠線タイプの軽列車を作る」の記事より)
ただ、確かに「実物はこんな感じ」なのだが、頭の中で「ナロー補正」がかかっていると、これは少し大きく感じる。それは別に1/80と1/87の違いではない。
http://arumo.a.la9.jp/r001.htm
http://www.narrow-garage.com/
従来日本車両製ボギー気動車を模型化したメーカーは、全長の短いプロトタイプを選ぶか、わざと全長を短く作った模型にしてきたからである。(模型にして100ミリ程度、実物換算で8m級、鉄コレ動力に換算すれば14m級)。
そうすれば面積の小さなレイアウト(回転半径が小さいレイアウト)でも連結運転をして違和感なく走行できるからだ。「わからないように作られたショーティー」とも言える。
実はあんまり「スケールにこだわらない」のが今現在いるナローゲージャーなのかもしれない。
実際に発売した場合、この窓一個分程度の「小さな違い」がどう影響してくるのかは、ちょっと私にも判らない。
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現状のミニカーブレールはミニレイアウトを組むには都合がいいが、砂利が新しくてちょっと「軽便鉄道」っぽくない。しかし今のところ新たなレールが起こされる予定はないようだ。レイアウトを組む場合、この展示のように「ひと工夫」が必要となってくる。
ちょっとした建物や小物、人形などは情景に表情を与える存在なだけに、ぜひとも製品化してほしい。
オート三輪以外にもプリンス・クリッパーなどが製品化されているのだが、三輪の次の世代の小型トラックや小型乗用車(スカイラインじゃ高級過ぎ、310ブルーバードのタクシーとか)、この程度の規模の鉄道に合う大きさのバスもほしい。
現状のBXD50では、確かに国鉄でも使われているが、ちょっと大きくて、バスとの競争に負けて軽便鉄道が廃止されてしまう! せめて夢の中では長生きさせてあげて。
もっと奥地に向かう隘路向けの「三角バス」(西武バスに保存車がある)でも感じが出るんだけどな。
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これにプラスアルファの物語展開がカタログなどで行われたらうれしいんだけどな。情景づくりへのヒントを含めた記事(昔のGMカタログのような)。
銀路画報さん(
http://www7b.biglobe.ne.jp/~ginro/ )あたりのイラストがちょこっと載っているだけでも。これは夢の夢ですが。
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期待してます。小池さん! 鈴木さん! 内田さん!

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