昨日、ついったの方でこんな話題が出た。
>何でしょう、「これこれこういうのが好きで…」っていうと「でもそれだったら○○のほうが〜…××って知ってる?ダメだよ知らなきゃ〜」みたいのとか
ってなことを言われるのが嫌だという話である。
実はどんな趣味をやっている人でもわかると思うが、こういう事を言ってくる連中はたくさんいる。
「ガンダムが好きでー」「だったらやっぱり最初の奴がー。ハインラインの宇宙の戦士って知ってる?」
「宮崎駿の天空の城ラピュタが好きでー」「だったら未来少年コナンの方がー。カリオストロの城知ってる?」
「ゴジラ対メガロが好きでー」「だったら対ヘドラの方がー。最初のゴジラ知ってる?」
「ローバーミニが好きでー」「だったらモーリスミニマイナーの方がー。サー・アレック・イシゴニスって知ってる?」
「ゼロ戦52型が好きでー」「だったら21型の方がー。97艦戦って知ってる?」
「長島茂雄が好きでー」「だったら王貞治の方がー。川上哲治って知ってる?」
「キャノンが好きでー」「だったらニコンの方がー。ライカ知ってる?」
こんな事をいちいち気にしているようではまだまだ「初心者」である。それにこれを指摘したところで、こういう連中はいなくなりはしないのである。
ここで重要になってくるのが、コミュニケーション能力である。つまりいちいち「○○が好き」とは言わない事。あるいは「それを言っていいネタと場所と相手を考える」事である。
私は鉄道では「モノレールが好きでー」「ケーブルカーが好きでー」などというのは結構言っているが、「○○知ってる?」などと言われた事はない。「ロッキード式知ってる?」「水力式知ってる?」なんて言う骨のある人間にはまずお目にかからないのだ。遊覧鉄道もそう。「トーゴ知ってる?」「ニチゴは?」いねーよそんなやつ。
だいたいの反応はこうだ。「え?」「へー」「ああ、そうですか」。これはモノレールやケーブルカーが「一つ下」のものと認識されている事と関係ありそうだ。
すなわち、例えば国鉄蒸機とか古典蒸機だとすぐに嫌な返事をされてしまう。少なくとも可能性がある。これはこれらが「権威」という面を持っているからであろう。
これは「一眼レフのトップメーカー」「メジャーな球団」「有名なシリーズ作品」「トップアイドルグループ」などにも見られる。
不思議な事に、ナローゲージの鉄道模型では人口が多そうなものだが、こういう事を言われない。「ナローが好きなんです」に対して「樺南知ってる?」「RGS知ってる?」言われそうなものだが言われないし、相手にも言わない。
なぜだろう? これは「ナローゲージ」があまりに広範囲で、しかも人によって好きな対象がまちまちだからである。しかもプロトタイプにこだわらない人が大勢いる。サブロクをナローに含める派、含めない派とかあるにはあるが、結構曖昧である。1/87〜1/76を混ぜる派、分ける派が混在している。表現方法も漫画的でもシリアスでもなんでもアリである。
また、「アメリカ型森林鉄道のOn30を安価で模型で割合シリアスな方向でやるのが好きでー」という「サブジャンル」が確定している相手に「バックマン知ってる?」とも言わない。知っていて当たり前だからだ。
前に古典機の話をしたが、実は現在サブロクの古典機の模型が(若者が盛り上げようとしても)イマイチ盛り上がらないのは、こういう人たちに対する心配があるからではないか。「あの世界はスケール通りにやらないと怒られそう」「プロトタイプを元にしてそれを再現しないと叩かれそう」「ミニトリックスやバックマンのNゲージの塗装替えを古典機って言ったら文句言われそう」「自分はおもちゃっぽく仕上げるのが好きなんだけどあの世界には合わないなあ」「架空の車両を古典機とは認めてくれないだろう」。
この辺の心配をまず払拭させるのが鍵ではないかと思う。

1