もとTBSアナウンサーの吉村光夫さんがお亡くなりになったとの事。残念である。
吉村光夫さんと言えば、まんがはじめて物語であった。
私の人格形成についても大きな影響を与えていると思う。
あ、ケンちゃんシリーズで蒸気機関車の仕組みの解説をした事もあったっけ。
ただ、吉村光夫さんは私にとっては反面教師でもあるんだよな。
鉄道ファン誌で、確かファン誌の30周年だったかで、色々な私鉄の30年間の変化を書いた文章だったと思うのだが、伊豆急行のリゾート21について、
「こんな電車で通勤通学できる人は幸せだ」
とのたまったのである。ふざけるなと思ったものだ。
当時はどんな田舎にも通学ラッシュはあった時代。吊革も握り棒も少ないリゾート21が、そんな時間帯に充当されたらどんな事になるか、予想はつくだろう。実際乗ったし。姿勢崩しておばさんの上に倒れたし。
その後の伊豆急行は、クロスシート2扉の100系から、3扉、さらに4扉と実用路線に変化している。
目先の、無理のある観光より地元の人の利便性とコストを重視した対応だろう。
通勤通学と観光の共用は無理とは思わない。しかし共用であるなら、片方だけから物事を見て車両を作ったり、文章を書いたりするのはどうかと思う。
自分の好きな見方を上位に持っていくなど、すべきではない。
悪い事だけではなんだから、いい方も。
吉村さんと言えば電車ファンだった。あの世代だと蒸気機関車の好きな人が圧倒的だが、電車だった。
サンフランシスコのバートとか、シカゴのLとかイリノイ鉄道博物館のレポートは面白かった。
アメリカの鉄道というと、全然親しみがないが、実はつりかけもカルダンもアメリカの技術だとか、アメリカのメーカーの開発した機器や台車を日本でも使っているとか、デザインだってアメリカの影響を強く受けていると知ったのは吉村さんの記事からだった。
それも例え方が絶妙で、似ているとは言ってもパクリとは言わないスタンスも良かった。
いい面でも悪い面でも勉強になった。
本当にありがとうございました。

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