久しぶりに唐沢俊一氏の日記を見てくる。非常に良い事が書いてあると思う。
http://www.tobunken.com/diary/diary20100112101530.html
唐沢氏というと、一昔前の怪しげな雰囲気も含めた「文化人」的容貌と発言を兼ね備えた稀有の人物であると思う。もちろん過去にあさっての方向を向いた鉄ちゃん批判をした事もあり、決して好きな人物ではないが。
またUFOに関する著書「新・UFO入門」も、ネット上でのいちゃもん以外に数々の問題を抱えた本(例えばホルテンHo229がアメリカに押収された記録が無いとか…じゃスミソニアン博物館にあるアレは何なんだ?)である。
であるのだが、本来文化人ってえのはそんなもんなのだというのをみんな知らなすぎる。若いのか青いのかよくわからんが、こういう人物を「批判」するなら洒落になっていたり、ギャグになっていたりしなければダメである。オトナゲ無い。文化人は決して「権威」ではない。
権威というのはオザワとかハトヤマとかああいうのを言うのである。そういうのを批判するのと同じ方法論でカラサワを批判してもおもしろくならない。
ここで思うのは、実は「カラサワ批判」側の人物達というのは、「UFO=地球外生命体起源仮説」の肯定派、しかもいわゆる「科学派」ではなくて、韮澤さんのような(韮澤さん以外にこの派閥を代表する人がいなくなっちまったな)いささか宗教よりの人々なのではな
いかという事である。
つまりUFO本において、CBA事件をいまさら蒸し返す唯一の人物であるカラサワを放ってはおけないのだ。宗教とUFOの関わりの裏側を一般人に広められては都合が悪いのである。
唐沢俊一を批判して楽しい。というのは私にはそれ以外思い当たらないので多分そうだろう。
UFO本で、唐沢俊一以外にCBA事件について触れる人がいないのは確かである。並木伸一郎さんは、CBAについては「宇宙考古学」のような事には触れるが「都合の悪い事は知らん振り」だし、元CBAの天宮さんなどは言わずもがなでマイナスイメージには触れない。韮澤さんもUFOと宗教の関わりの汚点であるこの一件には触れないだろう。語ったら凄い事だが。これは秋山眞人氏もそうかな。あの人も派閥としては宗教寄りだし。
矢追さんはUFOについて自分の意見は今更言わないだろう。また志水さんはとうとう向こうの世界に旅立たれてしまったし、皆神龍太郎氏は日本の過去のUFO界の話には触れるのを嫌がっているような節があって、アメリカでの地球外生命体起源説支持派批判に徹底しているような感じである。
山本弘氏あたりがUFO本を書けば面白いかもしれないが、この人は作家として売れっ子で多忙である。もっともその作品の中に垣間見られるUFOについての考えは、非常に興味深いのだが。
そういう訳で、他人の事を(面白くない口調で)とやかく言っている連中はどんなに増えても面白くないのであって、そんな文章は全く私などは期待していない。期待しているのは擬似科学本でも「肯定」、「否定」、「肯定派批判」、「否定派批判」、あるいは「布教」、「社会的正義」、「迷信撲滅」、「非科学退治」、「偽善」、「偽悪」などというジャンルに拘らず、「面白い事」が書ける才能を持った人物である。クリスタルベルの人などは私とは立場が全く違うが、私にとって面白い文章だから全然OKなのである。一方カラサワ批判で面白い文章に遭った事は無い。
自分の場合、唐沢氏は嫌いだが、それを承知の上で、しかも「懐疑派」などでは決して無いと認めた上で、また「と学会」に入るつもりなどはさらさらないという従来からの考えを継続した上で、立ち位置は唐沢氏に非常に近いのかもしれない。

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