3日目。今日は平渓線に向かう。ホテルでの朝食はついていないので、とりあえず外に出る。探せばおかゆか豆乳なんかの店があると思うが、駅までの間にはなさそう。裏通りだろう。しかしこの辺、アヤシゲな寿司とか日本料理が多い。
そこで…「吉野家行ったんですよ、吉野家」。日本の吉野家といえばぐるりとカウンターがあって、壁のメニューを見て注文というようなシステムなのだが、ここ台湾では違って、ハンバーガー屋みたいにレジの所行って頼むという形式だった。「ココデ?」と聞かれて「スー、イエス」と答える。アヤシイ外人だ。なんか適当に頼んだら親子丼みたいだった。「サツバツ」とはしておらず、オシャレな若者カップルのいこいの場であった。
面白みは無いけど、長期滞在には強い味方かな。現地の食事と比べると高いけど。
平渓線へはまず台鉄の台北駅に出て、そこから区間車で八堵、瑞芳、候(石同)へ行けば乗り継ぎできる。始発の駅は列車によって違う。また対号快車の場合、止まるのと止まらないのがあるので注意が必要である。
台北を出てしばらくは地下を、そして高架線に出る。途中の駅では(松山か汐止?)鳥居が見えた。またEMU1200の自強号ともすれ違う。七堵では引退したという情報のあったEMU100も見える。線路が地上に降りると八堵である。
切符はここまでだったので、一旦降りて買いなおす。この先の瑞芳なら一日乗車券が買えたと後で判る。ちなみにここではタクシーの運ちゃんは来なかった。どこでも来る訳では無い。
しばらくして平渓線の区間車が入ってくる。日本車両製のディーゼルカーだ。一番前まで座席があるが、そこは地元のお姉さん方に取られてしまう。

車内には冷水機もある。飲まなかったが。
休みのせいもあって盛況だ。途中「四脚亭」という駅があり、中国人の食についての話がアタマをよぎる。
候(石同)ではこの地に来て初めて鉄ちゃんを見掛ける。川がそばにあって景色は良い。飯田線とか、中央本線の中津川あたりを思い出す。土讃線にも似ている。
列車は東部幹線から離れ、ローカルな雰囲気に入っていく。この間行ったばかりのわたらせ渓谷鉄道を思い出す。下車する予定の「十分」が近づくと結構な規模の滝が見える。このあたり手ごろな観光地のようだ。
十分あたりはまるで路面電車のように道の真ん中に線路がある。
下車したらそこを逆に辿ると「煤鉱博物館」がある。200元払って敷地内に入り、すぐ右に曲がる。炭坑の廃墟を見ながら坂を登る。距離は短いが蒸し暑いのできつい。途中どこからか犬が現れて道案内をする。
昇りきるとそこはトロッコの乗り場である。展示物をみているとゴトゴト音がして「ソレ」が来る。「トロッコ列車」ではなく、ホントに「炭坑のトロッコ」そのものである。烏樹林の列車よりさらに小さい。
乗りこむとアタマのてっぺんまで振動が伝わる。後の方で別の客が「日本人が来ている」と言っている。日本人は物好きだから色々な所に来るのだ。
終点が博物館で、色々展示物を見たり坑道に入る訓練をしたりできる。っていうか「させられる」というか。ちなみにこの日はいなかったが日本語のできる人もいるのだという。中国語でもまあ判る。
一通り見て、十分駅の方に向かうと「何かが空を飛んでいる」。結構速い速度で上昇している。実はこれは熱気球であり「天燈」と呼ばれている。夜に見たら面白そうである。
さてお昼ご飯だが、エビチャーハンとかタケノコのスープとかイモの揚げたのとか適当に頼んだら食いきれないくらい出てきてしまった(でも200元)。ビーフンだけにするんだった。横の客が「あんたのはディナーだ」と言っている。もっとも彼らも頼み過ぎたようだったが。
で、「写真撮ってくれ」という。「サン、アー、イー」と言ってみたが、「さんはーい」ってのは中国語だったのか?
適当に買い物などして、終点を極めず、もとに戻って写真を撮ろうと思った。昨日の富岡の5t機が撮れるかもと思ったのだ。乗換えを続けて途中撮影しながら行って見た。瑞芳では「弁当売り」も見掛けた。

(草冠に呂)光号。昔の特急「つばさ51号」や急行「雲仙・西海」、「くにさき・阿蘇」を思い出した。電化区間から非電化区間に乗り入れる場合(あるいはその逆も)機関車が交替する。

昨日乗ったPP自強号。正確にはE1000。「電車」に見えるが、実際は前後の電気機関車の間に客車を挟んだ列車。

TE1000は最新型特急電車。タロコ号と呼ばれ、列車としては自強号の一部に使われる。

DHL100はDD16ベースだというが、見てみるとDE11あたりに近い。
が道路も無く、無理と判った。
その帰り、板橋駅では引退したと聞いていたはずのEMU100の自強号を見掛ける。時間だけはメモをする。嘉義行きで、この日の内の返しは無い。と言う事は明日の一番で戻るのだろう。この日はファミリーマートで「阿里山弁当」(七面鳥の照り焼きみたいだ)なるものを見かけたので買ってしまうが、台湾のコンビニでは温めてくれても袋をくれないのだった。持って帰るのは大変である。
明日は帰国前に一仕事である。

0