普通人の顔や表情を似せて描こうという時に、目鼻口リンカク、といった、線で描かれる部分の順列組み合わせを試みる描き手は多いと思う。
しかし、わしも自分で描いていて感じるのは、人の顔、笑った顔、泣いた顔なんてのは、実は線として描かれない部分、つまり頬っぺたなんかできまるのだ。
なぜなら、笑ってるのかな、泣いてるな、と言うのは後から見ても解るもんじゃ。そうじゃないか?
ここに挙げた石塚君、下まぶたの真下辺りに、キュッと力の集まりを作って笑うとあの笑顔になるんだと解った。
その辺の陰影も見て欲しい。
顔真似もして欲しい。
同じ笑っても、頬の筋肉の左右の力加減にその人の性格なんかが出てたりする。
唇だって、クチビルという輪ゴムの形が笑ったシルシ、泣いたシルシと言った具合に数種類の形にゆがむんじゃない。
奥や上に、ほっぺが引っ張るんだから。
その辺の性格や、今の精神状態なんかも写し取れたら、ただ似てる以上に、その人になるね。


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