2010/1/31
今日、久しぶりに映画を見た。山田洋次監督の「おとうと」。
基本にあるスタイルはまるっきり「寅さん」だった。
兄妹(寅〜さくら)にかわって、姉弟愛が中心に描かれている。
寅やにかわって、下町の薬局が弟の「ふるさと」。
甥のみつおにかわって姪の「小春」。
ただ、大きく違う点もある。
その時代性と社会性をどこまで作品に描きこむかという点だ。
この「おとうと」という作品はその点で、「男はつらいよ」に代表される喜劇人情ものと、「故郷」・「同胞」・・以来「学校」シリーズへとつらなる社会派作品との両方を統合したような作品であるという印象を受けた。
ヘーゲル的な見事なアウフヘーベンだ。
さびれゆく商店街の人々の想いや絆を描き出し、
社会から見放され野たれ死んでゆく人々へ温かい眼差しを向け、
彼らへの理解を深めるべく丁寧に重ねられたリアルな描写、
献身的に孤独な人間に救いをあたえる人々の存在を希望として描きだす。
序盤に布石を打った上でのあのラストシーン。
お見事、山田監督!!
見事にマルチチュードの<共>を歌い上げる映画でした。
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基本にあるスタイルはまるっきり「寅さん」だった。
兄妹(寅〜さくら)にかわって、姉弟愛が中心に描かれている。
寅やにかわって、下町の薬局が弟の「ふるさと」。
甥のみつおにかわって姪の「小春」。
ただ、大きく違う点もある。
その時代性と社会性をどこまで作品に描きこむかという点だ。
この「おとうと」という作品はその点で、「男はつらいよ」に代表される喜劇人情ものと、「故郷」・「同胞」・・以来「学校」シリーズへとつらなる社会派作品との両方を統合したような作品であるという印象を受けた。
ヘーゲル的な見事なアウフヘーベンだ。
さびれゆく商店街の人々の想いや絆を描き出し、
社会から見放され野たれ死んでゆく人々へ温かい眼差しを向け、
彼らへの理解を深めるべく丁寧に重ねられたリアルな描写、
献身的に孤独な人間に救いをあたえる人々の存在を希望として描きだす。
序盤に布石を打った上でのあのラストシーン。
お見事、山田監督!!
見事にマルチチュードの<共>を歌い上げる映画でした。


投稿者:eudaimonia