2013/9/23
母の語る昔話を記録しておきたいと思うようになった。
この先、同じ話を何度聞けるかわからない。
自分に大きな影響を与えた人の話だ。
記しておいて損はない。
いや、それは書き留めておくべきだ・・
そう思うに至った。
その一。
母の左手は、僕がものごころついた頃からいわゆる「サル腕」だった。
左手が曲がったままに固定されて、自由に使えない。
だから、母が運転する車の助手席のドアを母が開けようとするときは、
母は、助手席のドアに近い左手を使わず、わざわざ右手を頭の上から伸ばし、ドアのロックを引き上げていた。
それはまるでラジオ体操の体側の運動のように見えて、
「またラジオ体操だね」と僕は笑ったりした。
サル腕になった理由を聞いたのは、
僕が30才を過ぎた頃だったと思う。
唐突に聞かされた、けっこう衝撃的な出来事。
母が子どもだった頃の話。
母は、妹の子もりをまかされた。
まだ赤ちゃんだった妹を背負っていた母に悲劇が襲った。
かなりのスピードで走ってきた自転車に衝突された。
バランスを崩した母は、あかちゃんを落としそうになる。
落としてはならぬと必死だった母は、赤ちゃんを守るために夢中で左手を伸ばしていた。
不運にも、母の左手は自転車の後輪に挟まり複雑骨折。
以後、80歳になっても母の左手は自由にならない。
すごい話だった。
ある程度、状況からして自分が傷つくことは母もわかっていただろう。
だのに、妹を守るために自分が傷つく選択をした母。
すごい人だと思った。
自分にはとてもまねできない。
短所をあげればきりがないほどある。
口うるさく、神経質な母。
でも、この人はすごい人なのだと、
母の左手を見るたびに思う。
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この先、同じ話を何度聞けるかわからない。
自分に大きな影響を与えた人の話だ。
記しておいて損はない。
いや、それは書き留めておくべきだ・・
そう思うに至った。
その一。
母の左手は、僕がものごころついた頃からいわゆる「サル腕」だった。
左手が曲がったままに固定されて、自由に使えない。
だから、母が運転する車の助手席のドアを母が開けようとするときは、
母は、助手席のドアに近い左手を使わず、わざわざ右手を頭の上から伸ばし、ドアのロックを引き上げていた。
それはまるでラジオ体操の体側の運動のように見えて、
「またラジオ体操だね」と僕は笑ったりした。
サル腕になった理由を聞いたのは、
僕が30才を過ぎた頃だったと思う。
唐突に聞かされた、けっこう衝撃的な出来事。
母が子どもだった頃の話。
母は、妹の子もりをまかされた。
まだ赤ちゃんだった妹を背負っていた母に悲劇が襲った。
かなりのスピードで走ってきた自転車に衝突された。
バランスを崩した母は、あかちゃんを落としそうになる。
落としてはならぬと必死だった母は、赤ちゃんを守るために夢中で左手を伸ばしていた。
不運にも、母の左手は自転車の後輪に挟まり複雑骨折。
以後、80歳になっても母の左手は自由にならない。
すごい話だった。
ある程度、状況からして自分が傷つくことは母もわかっていただろう。
だのに、妹を守るために自分が傷つく選択をした母。
すごい人だと思った。
自分にはとてもまねできない。
短所をあげればきりがないほどある。
口うるさく、神経質な母。
でも、この人はすごい人なのだと、
母の左手を見るたびに思う。

投稿者:eudaimonia
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