2018/9/10

重陽の節句に思う  短歌

昨日9月9日は9と9が重なる日で、「ちょろQの日」などと名づけられていることをFMラジオで聞いたが、菊の節句である「重陽の節句」でもあることをふと思い出した。そこでまず浮かんだのが大阪と奈良をつなぐ古い街道の峠である「暗(くらがり)峠」の大阪側の中腹にある松尾芭蕉の句碑である。

句碑は『菊の香に くらがり登る 節句かな』というもので、1694年(元禄7年)菊の節句9月9日に、最後の旅路でこの街道を通った際に詠んだものである。因みに、芭蕉の辞世の句は10月の『旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる』であるから死の1ヵ月前に詠まれたものとわかる。そういうことを踏まえたうえで読み返してみると、淡々とした句ながら自分でも死期を感じていたのだろうと思わせる雰囲気がある。

標高455mの暗峠は、松尾芭蕉が故郷の伊賀上野から大阪に入る時に何度も通った峠であるし、もっと古くは、鑑真が平城京に行くときに越えたとも伝えられており、大阪奈良間の主要道であった。この暗峠は、大阪側は完全なる断層であり急峻、生駒側は少し穏やかな様相である。景色も大阪側はなんにも見えないが、生駒側は眺望が良い。暗峠周辺は宿場町だったので、家並みや田んぼが案外開けている。

暗峠を超える道は、奈良時代に難波と平城京を最短距離で結ぶ道として設置された。この時代は、防人や唐・朝鮮の外国使節もこの道を通って平城京と行き来したそうである。生駒側の中腹には東北地方出身の防人が故郷を偲んで詠んだ和歌も句碑として残されている。

暦の上ではもう秋、俳句や和歌などをふと思い浮かべやすい時期なのかもしれない。
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