2019/6/4

魚の保存料俚あれこれ  短歌

今朝の新聞に「紀州のなれ鮓(すし)」の紹介記事が出ていた。それによると、すしには「早ずし」と「熟(な)れずし」の大きく2種類があって、前者は「鮨」あるいは「寿司」として我々が今日食べている江戸前の握りずしや関西の箱ずし、押しずしなどがある。こちらは酢飯を使う。

一方、塩漬けした魚の腹の中に飯を詰めるか、魚と飯を交互に重ねて漬け込み自然に発酵させたものが後者であり、「鮨」と書くそうである。鮨の歴史的本場の一つが和歌山県なのである。

よく似たものでも食材や調理方法によって別のものになる例は他にもある。例えば「へしこ」と「鮒寿司」である。先日の荒島岳登山のあとに泊まった福井市内のホテルの和食レストランでは福井名物の「へしこ」を食べた。これは鯖を塩漬けしてさらに糠漬けした越冬の保存食である。

これを食べた我が親友は思わず、「僕の好きな琵琶湖の鮒寿司とよく似ている」と言ったのだが、店主はすかさず「それは違います。全く別物です。」と答えた。お互い食材の違いは認識していたものの、店主が言いたかったのは作り方の違いであったようだ。

上記の説明からいくと、「鮒寿司」は飯と塩を使うのだから、鮒を食材とした「熟れずし」(鮓)の一種である。紀州の「なれ鮓」とは、食材が違うだけで同じ作り方なのである。

いずれにせよ、食材と作り方の組み合わせによりいくつもの名物郷土料理があることが理解できた。それぞれに共通するのは、幾多の失敗を乗り越えながら、各地の名産品を保存食としてきた工夫と努力の成果であることは間違いない。
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