2019/2/8

「まんぷく」と「いだてん」  短歌

NHKで今放映されている朝ドラは「まんぷく」である。主人公のモデルは、即席ラーメンを発明した日清食品の創業者、安藤百福だそうだ。一方、日曜日の夜のいわゆる大河ドラマは「いだてん」で、日本人が初めてオリンピックに出場した時のマラソン選手、金栗四三がモデルと言われている。

今のところどちらも観ているのだが、この2つのドラマには大きな違いがある。はっきり言って「まんぷく」のほうは前作などに比べても面白くて引き込まれるほどなのだが、「いだてん」のほうは観ていて全然楽しくも面白くもない。その理由は、脚本のうまさと出演する俳優の違いではないだろうか。

「まんぷく」のほうは、特に主人公の福子役の安藤さくらがいい。映画「万引き家族」に出演していた彼女は暗くてつかみどころのない人物を演じていたが、今回は徹底して明るく楽観的な役を素で演じているように見えるから楽しい。ちょっとしたしぐさや表情も他の女優にはない自然なもので新鮮味がある。そこに、何ごとも悲観的にとらえて「問題だ、問題だ」とばかりわめく母親役の松坂慶子の演技が対照的で面白い。そこが脚本の冴えなのだろう。

一方「いだてん」のほうは、「東京オリンピック物語」というサブタイトルから見て、日本で2回目となる来年の東京オリンピックへの関心を期待してのドラマなのだろうが、時代があちこちへ飛び過ぎて展開がわかりにくく、落ち着いて観ていられないので面白くない。その理由は、古今亭志ん生役のビートたけしも主要な役割を演じていてまるで主人公が二人もいるように感じられる点が大きいだけでなく、たけしの存在が浮いているのである。さらには志ん生の若いころを演じている俳優がたけしとはイメージが違い過ぎるから視聴者としては混乱するばかりである。

この脚本家は朝ドラ「あまちゃん」も手掛けた人で、あのときはそのハチャメチャぶりも結構人気を呼んだものだが、今回はそれに味をしめたのか、前回を上回るハチャメチャぶりである。恐らくは、視聴者が朝ドラに求めるものと大河ドラマに求めるものが違うのに、脚本家たちはそれをきちんとつかみ切れず勘違いしているからではないだろうか。これでは出演する役者たちもかわいそうである。

この印象を、顧客の心理や期待をつかみ切れないまま経営方針を出す経営者と、その指示と要求に沿ってがんばる社員たちになぞらえて見る私の感じ方はうがちすぎなのだろうか?
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