2014/4/1

「反転授業」の試み  短歌

NHKのテレビ番組で小学校での授業の改革の様子が報じられていた。中でも佐賀県の武雄市で実施されている「反転授業」に興味が惹かれた。反転とは、従来の「家庭では予習や復習、学校では」という役割を、「家庭で学習、学校で確認と教え合い」に変えていく試みのことで、ICT(情報通信技術)を活用した学力向上策でもある。

科目的には理科や算数で取り組まれている例が多いようで、例えば生徒に1人1台のタブレット端末を配布して、5分程度の動画教材を見て自宅でノートを作ってくることを予習として課し、教室ではその結果に基づいて学び合いを行う、という形式がその典型例のようである。この結果、家庭学習の時間が大幅に増えることのほか、理解できた生徒もそうでない生徒も一律的に進めていた授業が、生徒の理解度に合わせて個別指導しやすくなったという成果も報告されているそうである。

欧米では1990年代からコンピュータによる支援を用いた指導によって、「講義」ではなく「指導(コーチ)」することが可能になることが注目され、以来多くの教師が独自の教材を作成したり授業の進め方をそれぞれに工夫したりしてきている。日本でも2012年以降NPO団体や私塾、個人の教師によって様々な試みが行われてきたようだが、2014年度から本格実施することになった武雄市の取り組みは地方自治体単位で実施するものとしては日本で初めての例だそうだ。

この方式が生まれた背景には、タブレット端末という先端機器が安く使えるようになったことやYouTubeなどで授業の動画を簡単にアップロードできる環境になったこともあるようだ。しかしそれは単に授業のための道具や手段の問題であり、大切なのは教育のあり方を見直す取り組みが大学だけでなく小学校にまで押し寄せていることが明確になったことである。

日本では以前から学力低下が問題視され、特に自分で「考える力」の不足があちこちで指摘されているが、この反転授業によってそれが少しでも改善されるかもしれない。予習教材の作成に相当な時間と労力がかかるなど課題も多いようだが、授業スタイルの変革によって教師の役割が「学びを促すコーディネーター」に変わってくる、ということも注目すべき点である。

21世紀に入って早や14年、ようやくこの国でも本質的な課題に積極的に取り組む試行の動きが生まれてきたようだ。

「この国の未来を担ふ生徒らの鍛は方にも起こる革新」

「教へ方の変化はそれをつかさどる教師の役割変化を誘ふ」
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