2012/1/15

「坂の上の坂」と「下山の思想」  短歌

「坂の上の坂」という本を読んだ。昨年11月に出版されたばかりの本だが、既にかなり増刷されているくらいよく読まれているようだ。著者は、藤原和博という56才の人で、潟潟Nルートで勤務中に同社初の「フェロー」(社員ではなく契約関係の存在)となり、2003年、47才の時には都内で義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務め、2008年には当時の橋下大阪府知事の特別顧問になった人物である。

この本のサブタイトルは「55歳までにやっておきたい55のこと」というものである。内容としては、人生80年時代になった今、定年後の時間だけを見ても20年から30年は生きて行かねばならない、坂の上に雲が見られたのは人生50〜60年時代のことであり、今となってはそれを追うのは幻想である、であれば残された「老後」をいかに過ごすのか、またそのためにはいつまでに何をやっておかなければならないのか、ということを提起したものである。

老後が20年も30年もあるということは、現役として一生懸命仕事をしてきた時間とほぼ同じだけの時間が残されているわけだから、これを無為に過ごすわけにはいかないのは当然である。いかに生きたいのかを明確にして、そのためにはいつまでに何を経験し何を成し遂げるのかという計画を作成し、それに基づいて毎日を過ごすことが必要であろう。

続いて読んでいるのは、12月に出た五木寛之氏の「下山の思想」という本である。まっしぐらに力強く成長の坂を登り続けてきた日本だが、今は大きな混沌の中にいる、どう考えても再び世界の経済大国を目指す道はない、しかし敗戦からみごとに登頂を果たした今こそ実り多き「下山」を思い描くべきではないかという提起である。そこでは「下山」とは諦めの行動ではなく新たな山頂に登る前のプロセスであるという、前向きで鮮烈な世界観が示されている。

新たな坂が待ち受けていることが間違いないのならば、その坂の存在に少しでも早く気づいて準備をし、人生を実り多き「上り坂」にしたいものである。

「人生の大半を過ぎ残りをば豊かに生きる計画立てん」

「老後をば余生と見るか新たなる時期を生きるの思想で見るか」

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