2011/6/9

「イキイキ」とか「ワクワク」とか  短歌

先日のテレビ番組で聞いたことだが、私たちがよく使う「イキイキ」とか「ワクワク」とか「グルグル」などの重ねことばはどうやら日本人独特のものらしい。東洋人はともかく少なくとも欧米人にとってはそういう重ねことばは全くなくて、日本語を勉強しているスペインの大学生などはそれが日本語の魅力だと言っていた。

そもそも漢字は表意文字だから、表音文字である英語のアルファベットなどとはその表現力が格段に違うことはわかっていたが、重ねことばという「技」まで駆使したらそれらの差はさらに大きくなるのではないだろうか。

そう考えたとき、日本には人間の感情の機微や自然現象の美しさをみごとに伝え表現する文化が育ってきたことも大いに納得ができる。また最近の日本製のアニメが世界で評判がいいことも説明がつきやすい気がする。日本語は難しいが、アニメなどなら各国共通の表現が可能なので、日本人の感性や良さが伝えやすいのかもしれない。

よく日本語が難しいと言われる理由はその文法が複雑であるからだと考えてきたのだが、それだけではなく日本語の使い方やそれを容易に理解して使いこなしている日本人そのものが高度に難しい存在なのではないかと考えるに至った。

もしそうなら、我々日本人はこの貴重な日本語をもっと大切にすると同時に、もっと広くその良さを伝えていく義務があるのではないかと思った。そして様々な国の様々なことばで日本の文化をもっともっと伝えていくべきではないだろうか。

「日本語の高みを知りてとつ国のことばを使ひ我が国示せ」

「表現はむさ苦しくもせつなくも心を伝ふ意気ぞ高かれ」
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2011/6/7

持つべきものは先達  短歌

先日、先輩社長からお誘いがあり、昨年度の決算と今年度の事業計画についての検討会をやろうということになり、とある駅前の喫茶店で2時間あまりにわたって論議を交わした。

先ずはお互いの決算書を交換しあって、感想や意見を述べ合う。共に赤字決算ではあるが、二年目と実質一年目の決算とでは中身がずいぶんと違うことに気づく。次に今年度の事業計画についても大手のクライアントを持つ先輩社長のそれはさすがにみごとな迫力のある内容である。

検討会のほとんどの時間は私の事業計画について費やされることとなった。起業後ますます磨きのかかった彼の舌鋒は冴え渡り、当方はただうなづくだけの場面がほとんどである。いつもどおり、本質からついてくるし大局的な視点から戦略や目標が語られるので、いちいち納得するのみである。

おかげで、モヤモヤしていた部分がきれいに整理された。また「自社らしい特長をつくれ」「それを他人の前で披瀝して意見や感想を聞く場を設けよ」という彼のアドバイスにはすかさず賛同した。

持つべきものは友という側面から見ていた彼を、この度は、持つべき先輩社長として改めて尊敬し直している私の姿がそこにあった。

「何ごともあらまほしきは先達よまして慣れざる事業にあれば」

「先達のことばは常にストレート無駄なくそつなく遠慮なく」
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2011/6/5

奈良の噂あれこれ  短歌

私の周りでは最近、奈良のことが話題になることが多い。ただ残念なことに、それはどちらかと言えばプラスの面ではなくマイナス面で語られることが多い。プラスの面では、昨年が平城京遷都1300年にあたりその関連の行事がまずまず成功裡に終了したことと、そのおかげで奈良への来訪客が少し増えたことである。

奈良に来られた人の多くは、京都ともひと味違う素朴な古都の雰囲気を楽しまれるようである。また35年後ではあるが東京と大阪が67分で結ばれるリニア新幹線がどうやら奈良県を通過することと奈良市の一部に駅がつくられることが内定したようでこれも久々の明るい話題である。しかしながらそれ以外では、むしろ暗い話や批判的な話のほうが多い。

まずは、上記の平城京遷都1300年についての来県者800名くらいへのアンケート結果が先日公表されたが、全体としては増えたはずの来県者の中で宿泊されたお客は非常に少なかったそうだ。ということは外国からの来県者も含め、ほとんどは日帰り客だったそうだ。その理由としては、奈良のホテルや旅館の多くは素泊まりを認めず食事つきのプランしか用意をしていなかったからということがわかった。奈良の宿泊施設は名声や景色など過去の遺産に胡坐をかいているのではないかと思われる。

またこの4月の奈良県知事選挙では現職の知事が再選されたのだが、公示の2日前に出馬した県医師会の会長にかなりの票を奪われるという結果となった。2人の候補者の最大の違いは「関西広域連合」への参画の可否であった。奈良県は近畿でただ1県だけ広域連合に参加していないので、孫さんが提唱する自然エネルギーの「メガソーラー」計画にも参画できていない。選挙結果としては現職に軍配が上がった格好ではあるが、詳しく分析してみると奈良市では票差は僅差であり、我が生駒市では逆転していたのである。

つまり奈良県の中でも北部の都市部である奈良市や生駒市では関西広域連合には参画すべきという意見のほうが多いか少なくとも拮抗しているのである。これは、奈良県には企業数がそれほど多くはなく、結果としてこの地域に住む人の多くが大阪や京都へ通勤していることが背景にある。すなわち奈良市や生駒市は大阪圏にあるのである。知事はその実態をわかっているのであろうか。結果として、東北の被災地への支援体制も県独自でやったが広域連合には相当後れを取ったようである。自然エネルギーへの転換の取り組みにおいても然りである。

古いものがすべて悪いとか変えなければいけないとは思わないが、奈良という土地柄はあまりに閉鎖的で排他的であると言われても仕方がない状態である。奈良北部の都市部がそういう人達で構成されていることを考慮したり、奈良県が観光立県を目指すのならば「不易流行」とでもいうか、変えるべきは何か、残すべきは何かということについてすべての面で見直すべきではないだろうか。

「あほによし奈良の都も変はらねば千年経ったただの田舎よ」

「奈良県はいま大阪の都市圏で大和は遠き国となりけり」
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2011/6/2

ある「利き酒会」参加記  短歌

大阪市の日本橋近くに黒門市場という市場がある。大阪ミナミの台所として親しまれている庶民的な市場で、特に魚の新鮮さで有名である。その一角に少しだけ洒落た雰囲気の料理店があり、その店の紹介者である友人とたまにのぞいていたのだが、先日は利き酒会の案内ハガキが届いたのでその友人と参加した。利き酒会には今回で3回目の参加となる。

定刻10分前に着くと店にはまだ誰も来ていない。参加定員は12名だがどうやら私が一番乗りらしい。しかししばらくするとどこからか申し込み客が集まり、日本酒ソムリエが登場するとやがてにぎやかに利き酒会は始まった。参加者には3名の女性も含む老若男女で、平均年令は50代後半くらいか。

女将の開会の口上によれば、今回は東北6県の地酒を8銘柄揃えたのだが、中には工場が津波被害のために復旧不能になって今日提供される瓶を含め在庫限りの酒もあるという。いずれにしても、こういう形ででも東北の復興を応援したいという一つの目的が語られた。

ソムリエの解説によると、8種の日本酒は日本酒度、酸度、コクなど様々な個性があるようで、利き酒用の酒椀に少しずつ注いでもらいながら香りを楽しみ飲み口を確かめのど越しを味わっていく。だが4種めくらいになると結構酔いも回ってきて「もうどれがどれだかわからなくなってきた」と、皆が言う状態となる。

そうこうするうちに女将が、今回初めての試みとして利き酒クイズをやるという。つまり8種類の酒を一番たくさん言い当てた人には市価1万円の大吟醸の福島産のお酒をプレゼントするというものである。これで皆の闘争意欲に火がつくが、既にほろ酔い状態となった友人は賞品はあきらめて飲むことだけに徹しているようである。

8種の酒をひと通り味わったあと、いよいよ利き酒クイズが始まる。布で覆われた一升瓶から一人ひとりに酒が注がれ、次々に銘柄の番号を記入していく。利き酒はさておいて料理と飲むほうに重点を移す人が次第に増えているようである。ああでもないこうでもないとワイワイ話しながらクイズタイムは終わり採点結果が発表された。

結果は、なんと水商売の従業員らしき若い男性と私とが6種を当てて同点優勝だという。6種ということは1種だけ取り違えたということなので、なかなかの好成績である。ルールではじゃんけんで順位を決めることになっていたのだが、男性は年功順がいいからと私に勝ちを譲ってくれた。それでは私の気持ちが済まないからと、その場で一升瓶の封を切り全員に一口ずつ注いで飲んでいただくことにした。確かに上等の酒はうまい。

その後は、半分くらい残った一升瓶を抱えて地下鉄と近鉄電車で自宅まで帰ったのだが、こういう形での復興支援もあるのかという印象と、小さいとはいえ勝負ごとで一番になった心地よさを味わえた得難いひと時ではあった。

「東北の南部杜氏の心意気ひと口呑めば心に響く」

「東北に思ひを馳せて呑む酒はほろりと苦し利き酒の会」
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タグ: 利き酒 東北 日本酒



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