2018/10/12 | 投稿者: shoji

SHOJIです。

1 はじめに
私は「九州大学名誉教授」なる称号をいただいている。
金銭的な報酬は皆無である。「名誉」だけである。
しかし私には感謝していることがある。
年に1回、九州大学開学記念パーティーがある。
今回は「伊都キャンパス完成記念式典」が9月29日に開催される招待状がきた。      
しかも、3月に九大久保総長から「是非ご来場を」と、ある会合で頼まれ出席
を約束しました。
私の方も東亜大学の重要な行事が後から入ってきて困ったが、代理をお願いし
て今回は総長との約束を守ることにした。

U 会場までの出会い
9時に家を出て、赤坂で地下鉄に乗り、乗り換えの地下鉄姪浜駅でもたついて
いると、ある九大教授が見つけてくれて、ラッキーでした。

心理臨床の課題など話し込んでいる内に、九大学研都市駅に到着した。
後は先生の後ろをついて行って、送迎バスに乗り、会場まで案内していただい
た。偶然の出会いで助かった。
講演会場に着くと、まだまだ式典中で九大伊都キャンパスの説明をしていた。
しかし椎木講堂には、すでに多数の参加者が詰めかけていた。

V 記念講演を聞いて
大隈良典東工大名誉教授(2016年ノーベル生理理学・医学賞)
「50年の研究を振り返り大学の基礎研究を考える」の講演題目だった。

私が講演を聴講した主な理由は
1,私のような実践家であり、心理臨床を専門とする者と、基礎科学の学者の
科学観はどんなものかと関心を持ったこと。
2,現代の日本の大学院の研究教育の状況を憂えている一人である私と、この
細胞学のノーベル賞受賞者はどんな見解を持っているのか知りたいこと。
私と同じ憂いを新聞紙上で既に公表されていたお一人でもあること。

1時間程度、受賞内容について、細胞学の先端の話を分かりやすく動画など用
いて説明された。専門外の私にも理解できる話であり、とても研究者としての
私にとっても、心を動かされる内容だった。

しかし専門用語など、充分理解できない部分もたくさんあって、あとで
ウィキペディアや東工大ニュース2016/10/13号を参照して、何とかここまで
まとめることが出来た。

以下、私の印象に残った11点だけ書くことにした。

@細胞のオートファジー作用を発見してノーベル賞を受賞したが、autophagy
とは「自らを食べる」意味らしい。

A人間の赤血球は毎秒300万個つくられ、また同じ数だけ破壊されている。

B人間の躰はおよそ60万兆個の細胞で形成されている。

Cオートファジーがきちんと解明されるにはあと50年かかりそうである。

➄1996年に基礎生物学研究所教授に移動してから研究が画期的に発展した
らしい。研究には十分な時間と設備、協力スタッフが大切であることを感
じた。

➅電子顕微鏡、光学顕微鏡などの発明が飛躍的に進んで、研究が可能になっ
たと言われた。先生は顕微鏡を見るのが大好きであると話していた。

F実際の動画では、細胞がオートファジーする状態、動いている細胞を見せ
ていただき感動した。光学顕微鏡の威力とそれを駆使した着眼点が素晴らし
いと感じた。
研究や実践はこうした「生の場面」を示すことが大切と思った。理系学問の
「エビデンス」の重要性と迫力を感じさせた。
統計と数字だけがエビデンスではないと感じた。

G先生は、研究者としては、流行にとらわれず、好奇心を原点とする研究を
続けて生きていると話された。現代は「すぐ役立つ」という基準で語られる
ことが多いと、現代の研究傾向、研究費配分の在り方を批判された。
私も同感です。

H「実験は9割は失敗ですし、折れそうになることばかりです。
ただその人がこれまでの知識でわかることや、想像できる知識でわかること
や想像できる結果とは実はたいしたものではありません。
失敗の過程で違う発見があるんだと気持ちに余裕を持たせて進んでいくと、
あるときポンと飛び越えるパラダイムシフトを起こせるのではないでしょう
か。」

I「科学は人類の長い営みの上に成り立つもの」と先生は科学観を語ってい
る。「私も一人の研究者としてこの歴史的な活動を少しでも嵩あげできれば
いいと思っています。」と謙遜に語っている。(HIは前掲東工大ニュース
から)

J先生は基礎研究の発展をねがって、2017年に東工大に若手科学者の育成の
ため、ノーベル賞金を基礎とした大隅基礎科学研究創成財団をたちあ、理事
長をつとめている。

W おわりに
この講演会に参加してノーベル賞受賞者の大隅良典さんの科学観・研究観の
一端に触れることが出来、とても嬉しかった。あくまでも私が聞いて得た感
触です。正しい理解かどうかわかりません。あとのパーティで「臨床心理学
を専攻している者です。先生の今日のお話に大変興味を持ちました。」とご
挨拶をした。

追記  この文章を推敲しているうちに、2018年度ノーベル医学生理学賞を
本庶佑京大特別教授が受賞した。研究費の配分について「10億円の研究費を
一人にあげるのではなく、10人に1億円ずつあげて、10の可能性を追求した
方が生命科学では成果が期待できる」と主張している。(朝日2018・10・7)

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2018/9/28 | 投稿者: syouji

SHOJIです。

私にとって昨年夏のフィンランド体験は衝撃的でまだ興奮状態のままです。      
OD/ADはもとより、フィンランドという国そのものの色々な角度からの体験を
整理している所です。多くの刺激を受けています。

先ずその一つがフィンランドの税金システムです。「ベーシックインカム」や
「徴収される税金のことやその配分」に関心を持つようになりました。
私たちが幸福に暮らす条件創りには、心理学だけでは不十分なのではないか?と。

これにはさまざまな異なった学問の学際的知見が必要と思っています。
今、三木義一「日本の税金」を読み始めています。
三木によれば、戦後、日本は、新憲法で主権在民になりましたが、税制決定の
システムは変わっていなかったそうです。つまりは、戦前のままらしい!!
日本とフィンランドとの文化社会・システムの違いに衝撃を受けています。


先日の学会で「日本におけるオープンダイアローグの今後の可能性」
         ー フィンランドの視察研修からの検討 ー
を先のブログに書かれているようにMOTOYAMAさんはじめ5名と発表しました。
この発表は満席になる盛況ぶりでした。
"学会発表”というより、発表者5人がそれぞれのフィンランド体験で学んだ
ことを、組織だった"学問”としてではなく「生の語り」形式立ったことが
迫力を増したというか、参加者に伝わった感じがした。
しかも、司会者がOD/ADに詳しいMORIOKAさんが各スピーカーのポイントを
その場で明確化していたのが参加者や発表者にとって役立っていた。

学会後も意見の交換をしています。
TAKAMATSUさんは、現代社会において課題なのは
「多様性」と「インクルージョン」と言い、私は現代の時代精神ではそれを
実現する一つの方法が対話であると考えています。、
TAKAMATSUさんのこの意見に納得出来ます。
留学生と接触の多い職場では多様性に満ちており、いつも世界との対話を
されているのだと思います。
私はオープンダイアローグを一つのアプローチと見ることが大切と思って
います。


追加ですが、SHIMODAIRA MICHIYOさん(国立精神・神経医療センター)から
我々のODの論文をお送りしたことへの丁寧な返信と近況のお知らせをいた
だきました。上京の折にはお話を伺うことにしています。
彼女のODの論文を拝見して、私は身近に感じ、PCAの香りを感じていました。

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2018/9/17 | 投稿者: naoko

人間環境大学岡崎キャンパスで人間性心理学会があり行ってきました。

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ごらんのように山の中の豊かな森に佇む大学でした。
愛知県岡崎市なのですが、かなり豊橋市に近いエリアでして名鉄本城駅
で下車します。
駅から徒歩で8分と伝えられていますが、坂道が長くてとてもそれでは
歩ききれず、スクールバスで送迎がなされています。

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校舎が森で囲まれている環境は、人々の心身に恵が多いように思います。
まさに今回の大会テーマは 『人間性と "いのち、こころ、環境”』
でした。
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今回は下記のように福人研界隈の人々の登板が大変多くて、穂も多かった
学会でした。

14日にはSHOJI・MINAMI企画『PCAGIP法・ファシリテーター論・実践工夫』
15日朝はNAOKO他8名の『音楽を媒介としたコミュニティの生成と参加者の
体験について』−「わたしたいの自由音楽会」 ー
15日午後はIMABEPPU『仲間関係を中心としたリーダレス・エンカウンター
グループ』
同じく午後にOISHI,MOTOYAMA,SHOJIの『オープンダイアログとパーソンセ
ンタード・アプローチが出会うところに何が生まれるか』
16日朝はMORIKAWA他『Carl Rogersの応答再検討するーフォカシングの立場
から見たその機能ー』
16日昼MOTOYAMA,TAKAMATSU,NAGANO,MURAKUBO,SHOJIの『日本における
オープンダイアローグの今後の可能性』ーフインランドでの視察研修から
の検討 ー     などでした。

PCAGIP、音楽、ロジャーズ、仲間、エンカウンターグループ、ジェンドリン、
OD/ADなどのキーワドが飛び交う学会発表でした。特にOD/ADの関心は大きく
この発表会場は満席でした。SHOJIが後日何か書き込んでくれることを期待し
ましょう。

NAOKOの発表で一つ残念だったのは音楽会参加者の感想をKJ法で整理した結果
をTSUNOUさんのパソコン力で整理図として作成できたのですが・・・
当日はパソコントラブルで映らなかったことです。
やはり残念なのでここに写真でUPすることにしました。見て下さい。
私たちはこの音楽会の場で「自由に楽しく居場所として」過ごしながら色々な
意味でのこころの体験をしていることが分かりました。
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これからもみんなで続けて行きたいなと思っています。

TAKAMATSUさんのお陰で新しい九大伊都キャンパスで開催出来ることになって
います。来る11月3日は来年の会場見学を兼ねて準備や選曲の相談をしたいと
思っていますので出来るだけ沢山の方々が来て下さるように望んでいます。
時間や交通、最寄りのJR駅(九大学研都市)へのお迎えなど、追ってお知ら
せします。
以上NAOKOでした。
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2018/7/15 | 投稿者: naoko

NAOKOです。

久し振りの投稿です。
今朝の朝日新聞コラム”折々のことば”に、こんなフレーズが載っていた。
「山へ行くと、強くなれる。弱くもなれる。その両方が大事、と感じて
います。」とあった。

6月例会二次会でオークさんとトシちゃんと山歩きのことなどお喋りしたの
を思いだして、書こうと思い立った。

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SHOJI & NAOKOのブログは、福岡人間関係研究会のホームページにアクセス
ボタンがあるが、横に並んでいるボタンに「山登り報告」ボタンがある。
この山登りgroupはもう30年余り続いている老舗なのですが、人生の老舗
でもある私はその発足当初から参加させてもらっていた。冒頭のことばにピ
ッタリとは言えないにしても、私の人生で、健康、厳しさ、うれしさ、美観、
つながり感・・・など沢山栄養にさせていただいたと思っています。

6月例会の二次会の時、久し振りに参加された世話人の一人オークさんと
あれこれお喋りをしている内に、いつの間にか健康の話になっていた。
左隣にいたトシちゃんが足を骨折して、今は大分快復していることもあっ
ってそんな話になったのだと思う。そして私自身の足腰の話になって、
「最近は山登り参加は遠慮しているけれど、今でもバスに乗り遅れないよう、
もう到着しているバスまで小走りにして追いつけるのは、一つには30年も
前から年に2〜3度この企画に参加出来たからだと思っている。」と伝えた。        

すると隣のトシちゃんはすかさず「その歳で走ったらイカン」と窘める。
でもでも我が家の地域では運転回数の整理の対象になって、最近は頻繁に来
なくなったバスに走って間に合った時には、本当にお陰様で走れてよかった、
と安堵するのだ。山歩きに感謝です。

         ***********

さて、冒頭のことばは、アウトドアスタイル・クリエーター四角友里さんの
書いた『山登り12ヶ月』の中から哲学者の鷲田清一氏が抽出された文章です。
早速ググってみると、四角さんはエッセイスト、山ガール、山でもお洒落を、
と山スカートを日本に広めた人だと知った。

四角さん自ら「運動音痴」「体力0」を認める女子でありながら、一歩一歩
歩きながら山の恩恵を受け、そして女子ならではの体験を綴ってエッセイに
して書いている。

そしてそれを読んだ鷲田清一氏はそこから普遍的な哲学的な意味を導き出し
ているのは"さすが”と思う。こちらの方に常々私は興味を持っている。

鷲田清一氏は、芸術と生活との境界線上にある広大な領域、これを限界芸術
と鶴見俊輔は言っているが、この領域に関心を持っている哲学者です。
主観的直接的に生き生きと、ぎりぎりの芸術を生きている人びとを取材され
意味を見つけて論じている。
コラム、"折々のことば”は私には分からない時もあるがそれはスルーしなが
らも毎朝楽しみに読み続けています。
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2018/5/1 | 投稿者: shoji & naoko

SHOJIです。
         
       ビートルズの創始者ジョンレノンの「イマジン」
        〜 第五回自由音楽会を楽しむ 〜

今年もTAKAMATSUさん、NAOKO, KITADAさん、TSUNOUさんなどが準備してく
れた自由音楽会を楽しんだ。
参加者は福岡、佐賀、大分、山口、大阪、奈良、京都から来てくれました。

この会は音楽だけでなく沢山の手作りのおにぎりや、各地から集まる参加者
が持ってこられる食べ物、漬け物。コンビニ、スーパーで仕入れた串カツや
色々なスナック、サラダ、フルーツを食べることから雰囲気が出来てくる。

昨年打合会で私は「イマジン」を曲目に入れることを提案し、Kさんの賛同も
あって実現した。選んだ理由は、楽しいこの雰囲気を実行できるのは集会の
自由があるからだ。
だから反戦歌を一つくらいは入れたいとの私の願いだからです。
けれども、指揮者にまでなることになってしまって、こまった。

楽譜は読めない、楽器演奏が出来ない、歌も唱えない、けれども参加し、
楽しめるのがこの自由音楽会である。

そこで、指揮者としては、始まりだけタクトをふり、後はKIMURAさんの唱う
「イマジン」に合わせて彼の強弱のリズムについていきながら、私の身体を
指揮者風に動かす「指揮者おどり」をすることにした。
イマジンの動画TUBEを10回ほど"傾聴”して大体のリズムを身体で覚えた。
この流儀で実演し、皆さんの協力で何とか指揮者という名の「指揮踊り」を
やってしまった。後でDVDをみたらどんなことになっているのだろう?
ちょっと怖い感じ。やったときの方が楽しいのだろうと思う。

もう一つは憲法13条のことを話した。
13条は「全て国民は個人として尊重される」つまり国民一人一人を独立した
存在として捉え、その個人を尊重し、その価値を最大限に評価するという個人
尊重主義を唱っている。日本のこれまでの人間像からすると西洋のバター臭さ
はあるが、人間観が光っていて、改めて読んで驚いた。

この自由音楽会でもそうだし、福人研活動、エンカウンターグループ活動、PCA
活動にしても一人一人が大切にされ、その中で個人が成長していくという価値
をバッチリ守り築き上げ生きてきている。しかし、これらの活動は個人尊重と
いう日本国憲法に守られているのである。

改めて、セラピーやEGを充実する実践や価値を守ってくれるのは、実はこの日本
国憲法13条であると感じた。憲法13条が守られなかったり、修正されたり
すると、たちどころにこの音楽会やエンカウンターグループが禁止されたり展開
出来なくなったりすることに改めて気づいた。だから憲法13条は守らなければ
ならないと感じている。


最後に「イマジン」の和訳歌詞を書き写しておきたい。(AKIHIRO OBA訳詞)

想像してごらん 天国なんて無いんだと
ほら、簡単でしょう?
地面の下に 地獄なんて無いし
ぼくたちの上には ただ空があるだけ
さあ 想像してごらん みんなが
ただ 今を生きるって

想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も 死ぬ理由も無いし 
そして宗教も無い
想像してごらん みんなが
ただ 平和に生きるって

僕のことを夢想家というかも知れないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたも みんな仲間になって
きっと世界はひとつになるんだ

想像してごらん 何も所有しないって
あなたなら出来ると思うよ
欲ばったり 飢えることも無い
人はみんな姉弟なんだって
想像してごらん みんなが
世界を分かち合うんだって

僕のことを夢想家というかも知れないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたも みんな仲間になって
そして世界はきっとひとつになるんだ
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