12月も中旬、海外から輸入される原油価格の高騰を受けて、久しぶりに軽トラックの燃料を入れにスタンドへ行けば、ガソリン価格の上昇に驚き、帰りにスーパーへ寄れば、ケーキに欠かせないイチゴや砂糖、小麦などの原材料費が上がっていました。
新聞の情報によれば、原油高でハウス栽培などの暖房費が余計にかかり、物の値段が高くなって、消費の回復スピードが、製造業や運輸業、サービス業が短期的に拡大できる供給能力よりはるかに急速なためのようです。
物価上昇の加速は、世界経済にとって大きな逆風であり、この流れが定着するほど、来年の経済成長に及ぼすマイナスの影響が増大するようで、心配な新年のスタートが来そうです。
アメリカでは、過去2年間でみた年間上昇率は、約3.4%と目標としている2%強より高く、この上昇ペースが続けば、賃金の実質購買力は20年ごとに半減する形で、大半の世帯にとっては到底無視するわけにはいけないスピードと言えそうです。
物価上昇加速はアメリカに限った話ではなく、世界の主要国全体、また原材料から生産者物価、消費者物価と供給網のあらゆる段階で顕著のようです。
問題は、賃金と所得の上向くスピードが物価に追いつけず、物価上昇と景気過熱に必要な「燃料」が奪われて失速してしまわないか、物価圧力を再び制御できるところまで弱めるために金融緩和措置をある程度巻き戻すことになるかどうかです。
年収200万円以上の生活者に対して、医療費負担を2割に引き上げる話があるようですが、来年の参院選が問題で、はたして物価対策次第ということでしょうか。

2