日本の人口構成は、少子高齢のスピードが著しく、特に高齢者は、厚労省の推計によると2025年には認知症・寝たきり・衰弱などで介護を必要とする人が520万人に達すると予想されています。健康なうちから寝たきり予防を心がけることが大切です。
核家族が多くなって、介護を必要とする人は同居人ではなく、社会全体の問題として介護保険制度が進み、介護する職業の人が中心となって面倒を見るようになりました。
自宅で面倒ができれば良いのですが、そういかない場合は施設へ入所となり、新型コロナウイルスの感染防止から、家族でさえ施設へ行き直接会って面談が難しくなりました。
高齢になれば、なかなか人には話せませんが、食事、排せつ、睡眠すべてに、健康を保つ努力が必要になります。何とか今日という日を過ごし明日を迎え、またその次の日を迎えるのが現状で「長生きはいい」など、とても単純には言い切れないこともあります。
年齢を重ね、満足を得るには、現実に対する期待値を下げることが必要です。しかし今は逆の情報ばかり、ワクチンの接種はすぐにでも出来そうな情報など、メディアは高齢者へ良い情報やお得な情報ばかりを流して、かえって不満や不安が増え、満足には至らないからです。
高齢者の医療・福祉で、政府は以前から医療の撤退を進めて来たといいます。医療の側の問題として、治らないならあきらめてしまうという方法があるというのです。介護や福祉が充実すれば、それで良いのかもしれませんが、本当は治して長生きしたいけれど、治療にお金もかかるし、という中で死を選択する人も出るというものです。
もちろん、人には死ぬ権利があると思っていますが、いざとなったときに死にたいという人は非常に少ないと思います。それでも「死んでもいい」という世の中にすれば、太平洋戦争がそうであったように、死にたくない人をたくさん死なせることにつながります。

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